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第六章「瞑想」 36
アイツは仲間に手を掛けやがった。今度はこっちが殺す番や!
マイケルはミシェルの後頭部に1発撃った。爆発音の後、彼の脳髄が灼け焦げた匂いがした。
立て続けに2発目、3発目、4発目。撃つ度に、ミシェルの身体が不気味に痙攣する。爆炎が街路樹に燃え移り、乾いた音を立てて燃えだした。
無人のニューヨークの暗闇に光る灯火は復讐の炎だった。
炎は他の街路樹を浸食し、一気に勢いを増す。冬の北風により、炎中から舞い上がった火の粉が縦横無尽に吹き荒れる。
6発目を撃つと弾切れになった。カチリカチリと情けない音が響く。だが、マイケルの腰には愛銃ワルサーの予備ローダーが山ほどぶら下がっている。彼は冷静にその中のひとつを抜くと、瞬時にシリンダーを換え、また撃った。
ミシェルの頭を抉りまくるワルサーの弾。爆風と共に彼の部品達が弾け飛んでいく。