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第六章「瞑想」 35
崩れ落ち、悶え狂うマイケル。血の海は徐々に広がり、それに伴って意識も次第に遠ざかっていく。汗を垂らし、歯を食いしばって耐える。唇の隙間から嗚咽の音を漏らす。
「まぁ、その銃創ではもって8分ですかね」悶えるマイケルを見下すミシェル。落ちたワルサーを、マイケルが拾わないように蹴って壁に寄せる。「そこでもがいていれば直、天使が迎えに来ることでしょう。」
ミシェルは微笑むと、マイケルを背にし、部屋のドアノブに手を掛けた。
「この度は私を匿って下さって本当に有り難う御座いました。今からレジスタンスを……いや、世界を滅ぼしてきます。では、さようなら。」
ミシェルが部屋から退場した。
静寂が部屋を包む。
本棚の横にはロバートの死体。
部屋の中央の黄色いカーペットの上にはマックスの死体。
その近くで横たわっている瀕死のマイケル。
静寂の中、マイケルの苦悶の呻き声が木霊する……