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第六章「瞑想」 33
ミシェルが号泣しながら包丁を床に叩きつけた。
まさかーー!
マックスはロバートの顔を覗いた。
ロバートの顔からは生気が失われており、瞼は深々と閉じられていた。
「あ…」震える指でロバートの首筋に触れる。
脈がない。冷たくなったロバートの身体がマックスに全てを悟らせた。
死んだーー
ミシェルが出目金のように大きく目玉をひんむいて普段の冷静な様子からは想像がつかないような大絶叫を上げた。
「あぁぁあぁぁあぁ!!!また俺が殺したんだ!!!また俺が殺したんだぁあぁぁあぁぁ!!!!」そう連呼するミシェルは、駄々をこねる子供の如く、床の上をのたうち回る。
異様な光景に後ずさるマックス。しかしその時、マイケルは恐怖に支配された頭の隅で
おかしい。
と疑問を抱いていた。