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第六章「瞑想」 29
クソ…血ィ出過ぎや…!まともに動けるのはせいぜい二、三分か…?
「どうした?逃げか?」ミシェルの声が急に無機質なものに聞こえた。「まぁ、いいさ…。じきにお前達は皆、死ぬ事になるんだからな…」
ミシェルは不遜に一通り笑うと、一言呟いた。
「フェーズ36、発令。」
マイケルは一瞬、片言隻句のその言葉の意味を思案したが、何も分からなかった。
その混乱を引き裂いたのが、群がるノーアイズ達の絶叫だった。
怪物共が突如として一匹残らず奇声を上げながら地面でのたうち回りだしたのだ。不規則に痙攣を繰り返す体。その姿は末期の精神異常患者を連想させた。
「キサマ何をやったんや!!」
「ただの命令だ。」その声はノーアイズ達の断末魔の叫び声を一方的に斬り裂いて、聞こえてきた。