136/186
第六章「瞑想」 28
「んの…キチガイ野郎が…!!」不意に撃たれたマイケル。ミシェルを睨む顔は苦悶と驚愕と噴き出す汗でグチャグチャだ。「マナーちゅうもんがあるやろ…腐れ外道が!!」
「マナー…か。戦闘中に雑談する手前が悪い」ミシェルはそう言って、また銃口をこちらへ向けてきた。
「早く行け!!」マイケルが吠えると同時だった。
「らあぁああぁぁあぁあぁあ!!!」先程のノーアイズの群れから絶叫が木霊した。ジョンの声だった。彼はまだ生きている。ジャニスはショットガンを握る手を固め、群れへと駆け出した。
次の瞬間、ミシェルのベレッタが吠えた。とっさにマイケルが乗り捨てられた隣のトラックの陰に飛び込む。
すると、銃弾は彼の体を皮一枚で掠めていき、最後の一発はトラック記載されたコンテナで跳弾し、地のアスファルトで火花を上げた。
トラックの陰のマイケルは一呼吸ついた。撃たれたわき腹が酷く痛む。小腸がその銃創から外界へ出ようとせめいでいるのがわかる。