134/186
第六章「瞑想」 26
ミシェルの頭部を一瞬で炎が包み込み、被弾の衝撃が彼の死に体を地面に叩きつけた。
「ジョン!!」ジャニスは歓喜の叫び声を上げたが、辺りには彼の姿はなかった。代わりに見知らぬ男が立っていた。
その男はワルサーPPKSを持った、サングラスをかけたアフロの黒人だった。彼が着ているアロハシャツは赤い血でまみれていた。
「…ミシェル…。」黒人は呟いた。「まだ立てるんやろ…?!」
生きてる筈がない。ジャニスは思った。
頭を撃ち抜かれたのよ?しかもグレネード弾で。ノーアイズでも死ぬわ。バカげている。
だが、次の瞬間、ジャニスのそれが一気に覆された。
「…マイケル…何故貴方がここにいるのですか?!」怒りがこもった、あの忌々しい声が既にただの肉袋と化した筈の肉体から聞こえてきた。そしてそれはゆっくりと立ち上がる。それの顔面からは何故か無数のゼンマイやネジが転がり落ち、千切られた、色とりどりの配線コードのパスタが鋼鉄の皮膚から突き出していた。
「アンタ、やっぱ化物やったか…」