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第六章「瞑想」 23
だが、その走馬燈は一瞬でガラス細工のように崩壊し、微塵も残らず消え去った。
いや、彼自身が打ち壊したのだ。
まだ死ねるかよ。
俺はまだ戦える。
撃った。
そして、
ブッシュナイフを片手に持って群の中に突っ込んだ。
「ジョン!!嫌ァァァァァァァァァァ!!!!!」ジャニスは泣き崩れた。力の限り名を叫んだ。
しかし、彼は戻ってこない。
「ああああぁぁぁあぁあぁぁ!!!!」弾を込める手に力が入った。早くジョンを助けなければ!!
一発、二発、三発。コッキング。
無限に折り重なる悲鳴の畜生に向けてショットガンを構えた。
だが、
気が付くと、そのショットガンがいつの間にか吹っ飛んでいた。
見ると、トリガーに指を掛けていた右手に大きな風穴が開いていた。
ジャニスがそれを認識したと同時に遙か遠くから醜悪な雄叫びが轟いてきた。