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第六章「瞑想」 20
銃から顔を上げ、前を見た。
すぐそこには、ノーアイズの豪雨が展開されていた。あらゆる場所、方角から猛スピードで一直線にこちらにやって来る。雨が躯を叩き付けるように。
「クソっ!!」ジョンは取り合えず、接近してくる最寄りのノーアイズ達に発砲した。
一発目。
正面のノーアイズの脳髄が大量の血液と共に飛散した。
二発目。
正面から少し右寄りから駆けてきたノーアイズ。腹部が一気に吹き飛んで、艶めいた不気味な内臓を晒す。
振り返って後ろ。
ブルが口元を皺くちゃに寄せて、こちらへ向かってきているのが見えた。
間髪入れず三発目。
鎖骨の辺りを爆破して胴と頭部を切り離す。
四発目はちょうど左から迫っていたノーアイズ。かなり距離が縮まっていた。5、6メートルくらいか。
だが、すぐに首から上が肉塊と化し、残った四肢と胴は地面を何度かバウンドしてようやく止まった。
五発目は目と鼻の先の距離にまで接近したブルだ。すでに飛びかかって奈落の大口を開けていた。
とっさにジョンが体を捩ったと同時に、顔のすぐ横をブルの体が通り過ぎた。