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第六章「瞑想」 7
腕も限界に近かった。
まずい。
このまま行けば、秒もかからずに喰われてしまう…!!
レイの口がさらに大きく蛇の様に開いた…
その時。
「ジョン!!」
ボブが慌てて何かをジョンの手元に投げた。
S&W。ボブの予備携行していたハンドガン。それが投げ寄越された。
Thank you!!!恩に着るぜ!!!
ジョンはとっさにそれを拾うと、すぐさまレイの頭に銃口をあてがい、撃った。
レイは大きく仰け反った。
だが、弾は脇のパトカーのドアに打ち込まれた。
避けられたのだ。
なんて反射神経だ…!
…だがな…。
大きく仰け反ったその体勢で次の弾はどうやって避けるんだ?
ジョンはS&Wを真正面に構え、再度撃った。
レイの体がジョンの体を離れた。
宙を舞った後、無抵抗に地に落ちる。
が、直後レイはまるで何もなかったかの様に立ち上がった。