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第五章「地獄」 13
ダークネスの打倒。
「そうだ。俺達の目的はダークネスの打倒だ。死にに行く事じゃないんだ…。いい加減目を覚ましてよ!!」構えたグロックが震える。仲間に銃を向けるとはこんなにも辛い事だとは。
「頼む…!」頼むからもう終まいにしてくれ。もう嫌だ。死にたくない。殺したくない。マックスは再び引き金にかけた人差し指を絞り出した。
俺はあんたを撃ちたくない。でもこれ以上やると言うならば撃たなきゃならない。
人差し指を少し動かすだけで簡単に人の命を奪える凶器。銃。今だけはこれが恨めしく思えてきた。
あんたには使いたくない…。撃ちたくない…。頼むからあんたのその目から死に病んだ狂気を失してくれ…!!
マックスが念じたその時。
「…そう…でしたね…」ミシェルは呟いた。「…そうでしたよね…。貴方達はダークネスを倒す為に生きているんでしたよね…」
「え……?!」