第1章 7話 芽を摘む者
使徒が逃げてから数日が経った。
俺たち四人は学都エレンディアの入口に着いた。
学都は壁に囲まれ、塔が立ち並ぶ知識の街。
だが、魔素枯渇で街の光が弱く、住民の顔に影が落ちている。
セイルは故郷の街を見て、静かに言った。
「ここが私の街だ。
枯渇が進んでる……急ごう」
街に入ると、学者の集まる広場で異常が起きていた。
黒い霧が渦を巻き、使徒の怪物が現れていた。
今度は二体。
体は魔素の渦でできていて、触れるものを枯らす。
目が黄金に輝き、声は低く響いた。
「異世界人……お前は私の創造を壊す者か」
声はエターナルの残響だった。
黄金の影が現れ、巨大な人型だが、半透明で、顔はぼやけている。
黄金の目だけが輝き、声が響く。
「この世界は汚れた。
争い、欲望、破壊……私が愛したものはすべて失われた。
だから、リセットする。
新しく、無垢な世界を創る」
俺は短剣を握りしめた。
「またお前か……!」
残響はゆっくりと頷いた。
「そうだ。
魔素を回収し、世界を無に還す。
お前のような存在は……脅威だ」
リリアが剣を構えた。
「エターナル!
あなたはもう神じゃない!」
残響は笑った。
「神でなくとも、世界を創ったのは私だ。
お前たちに、選択肢はない」
残響が手を上げ、黄金の光が爆発した。
神級魔法……デストロイ・ディヴァイン・ブレイズ! (破壊神聖業火)
神級の炎が四方を包み、すべてを焼き尽くそうとする。
空気が焼け、地面が溶け、四人は悲鳴を上げる。
セイルが詠唱を始めた。
「テラ・クエイク・ソブリン・エクリプシス! (大地神震主皇蝕影)」
極級魔法で地面が隆起し、炎を押し返す。
ミアは弓を連射。
「当たれ!」
矢が残響の体を貫くが、光のように消える。
リリアが突進し、剣を振り下ろした。
「はあっ!」
剣が残響の腕を斬るが、光が再生する。
俺は魔素を全開に。
神級魔法をコピーしようとした。
無属性で炎を相殺、無詠唱で発動。
イグニス・フレア・アビス・ソブリン・ドミヌス! (劫火神焔深淵主権支配)
神級の炎がぶつかり合い、爆発する。
衝撃で俺は吹き飛ばされ、腕に火傷を負った。
神級は完全にコピーできず、少し傷を負った。
残響は黄金の目を細め、言った。
「また強くなったな…」
残響は光を巻き上げ、ゆっくりと消えた。
「次に会う時は……お前を消す」
静かになった。
リリアが駆け寄り、俺の傷を押さえた。
「ユウマ! 大丈夫?」
俺は息を荒げ、笑った。
「また……ヤバいな」
セイルは測定装置を拾い、言った。
「エターナルは本気だ。
リセットを加速させてる」
ミアは弓を下ろし、言った。
「次はもっと強くなるわ」
俺は立ち上がり、拳を握った。
「また逃げられた……次こそ」




