第2章 第5話 階級
昨日、森で魔獣倒して宿に戻った。
みんなで「明日から本気で練習」って言って、
疲れてすぐ寝た。
でも、朝起きたら体が鉛みたいに重い。
……コピー連発したせいだ。
腕がジンジンする。
まだまだ未熟な証拠だ....
食堂に下りたら、
セイルがもう座ってた。
テーブルに、銀の小さい箱みたいなの置いてる。
メガネの奥の目が、
ちょっと腫れてる。
「これ、魔素メーター」
俺、
「……何それ。
昨日作ったの?」
セイルが、
「うん。
夜中までかかった」
(こいつ時々無茶するよな....)
「で、これは何に使える機械なの?」
セイルが
「手をかざすと魔素を数値化してくれる」
ピピッ。
画面に数字が浮かぶ。
俺 五万二千。
リリア 四万六千。
ミア 四万三千。
セイル 三万九千。
「……合計十七万」
俺、
「……これって多い?」
セイルがノートをパラパラ開いて、
「普通の人間は百から五百。
兵士でも千から五千。
だから、
俺たちは……
兵士の二十倍以上だ」
ミアが、
「え、じゃあ私たちヤバいじゃん!
もうS級?」
リリアが、
「……まだA級にすら届いていないのよ。
Bランクの頂点くらい」
セイルが、
「人族のランクはこう」
F〜E 1万以下(一般人〜兵士)
D 1万〜5万
C 5万〜10万
B 10万〜20万
A 20万〜50万
S 50万以上(英雄級)
俺、
「……俺たち、今Bの頂点?」
セイル、
「うん。
Aまであと少し」
魔族は、
低位 3万〜8万
中位 8万〜15万
高位 15万〜50万
上位 50万〜100万
エターナル側は、
使徒 20万〜50万
残響 100万〜300万
本体 500万〜1000万
俺、
「……高位魔族、
俺たちとほぼ同じじゃん」
セイルが、
「でも、魔族は生まれつき魔素が高い。
連携が完璧じゃなきゃ、
一撃で終わる」
……一撃で終わる。
俺はスープの匙を止めた。
熱いはずなのに、
味がしない。
胸の奥が、
ざわつく。
「俺、何のために転生したんだ?」
トラックに轢かれた時、
「決意したはずなのに
今、
この数字見て、
また同じこと考えてる。
十七万。
……まだ、
エターナルに届かない。
あいつらを守れない。
リリアが、
「……ユウマ?」
俺、
「……これからどうすれば...」
ミアが、
「え、顔色悪いよ?」
俺、
「……この数字見て、
なんか……
俺、一瞬ビビっちまった」
セイルが、
「……普通だよ。俺も1人ならそう思う
だがみんながいれば話は別だろ」
声が、
少し震えてた。
メガネの奥の目が、
赤い。
……夜中まで作ってたんだもんな
何怖気付いてるんだ俺は....
「……そうだよな、
何とかなる気がしてきたわ」
って、
小さく言った。
リリアが、
「……うん」
ミアが、
「ふふ、今日は素直じゃん」
俺、
「……うるせえ」
セイルが、
「……俺も、
がんばる」
って、
メガネをクイッと上げた。
でも、
指が少し震えてる。
……なんか、
みんなが「がんばる」って言っただけで、
少しだけ、
息が楽になった。
スープが、
やっと温かくなった。
俺は、
「……次は、
連携完璧にしようぜ」
って、
みんなに言った。
ミアが、
「いいね!
私、矢の精度上げてくる!」
リリアが、
「剣も磨く」
セイルが、
「……俺も、
新しいバリア作る」
俺、
「……じゃあ、
俺はコピーの精度上げる」
みんなで、
小さく頷いた。
……別に、
「絆!」とか言わねえ。
ただ、
この瞬間、
「仲間っていいな」って、
思えた。




