第2章 3話 魔素の恵み祭
祭りの朝は、街全体が金色に輝いてた。
空から魔素の粉が降る──
枯渇の今だからこそ、人々が作った「偽りの魔素」。
でも、みんな笑ってる。
俺は宿屋の玄関で、
猫耳を頭に乗せて待ってた。
……恥ずかしいけど、
リリアの笑顔のためなら、まあ。
「ユウマ!」
リリアが駆け寄る。
白猫耳、白いワンピース。
……可愛すぎる。
「似合ってる?」
「あ、ああ」
ミアが後ろから、
「ユウマ、私の黒猫耳、ちゃんとつけてる?」
「ああ」
セイルは……
うさぎ耳に白いシャツ。
「……似合ってる?」
「…………まあ」
街に出る。
屋台がずらり。
焼きそばの匂い。
りんご飴の甘さ。
ミアが、
「ユウマ、りんご飴買って」
「……俺も?」
「ふふ、奢りでしょ?」
……仕方ねえな。
リリアが隣で、
「ユウマ、焼きそばも」
「……わかった」
三人分の焼きそば、りんご飴、
買って、
ベンチに座る。
セイルが、
「魔素粉の成分分析……」
「今日は休め」
ミアが、
「ねえ、ユウマ。
花火の時、隣にいて?」
「……いいけど」
リリアが、
「……私も」
……なんだよ。
でも、
その瞬間──
街の端から、爆音。
魔獣の群れ。
魔素暴走で、祭りを襲ってきた。
「来るわよ!」
ミアの矢が飛ぶ。
リリアの剣が閃く。
セイルの支援魔法。
俺は、
無属性で、風と火を融合。
ヴェントゥス・イグニス・ストーム!
魔獣が吹き飛ぶ。
……祭りの夜空に、
花火が上がった。
みんなで、
肩を寄せ合って──
見てた。
……花火の最後の一輪が消えた。
俺はぼそっと言った。
「明日から、また練習だな」
リリアが、
「うん」
ミアが、
「えー、今は休み!」
セイルが、
「データ上、花火は魔素回復効果あり」
……俺は笑った。
みんなも笑った。
それだけ。




