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黒の錬金術師  作者: 秋元智也
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59話 不相応な討伐依頼 (4)

向かった先は冒険者ギルドだ。

いつもの受け付け嬢を見つけると、依頼書を出した。

 

「昨日、メノウさんが受けて来たんですけど…」

「えーっと、こちらはパーティーでしか承認できな

 い依頼なのですが、一体誰が……」

「やっぱりそうですよね?ギルド長は2階ですか?」

「えぇ、上で待ってますよ」

「ありがとう。あとでそれ僕達で受けるので待ってて

 下さい。それと、それを受け付けた人の事も聞きに

 来ますね?」

「………そうですね。わかりました」


ニッコリと笑顔を見せると、ハルカは2階へと上がった。

メノウは何かいいたげだったが、何も言わず付いてき

たのだった。


2階のいつもの奥の部屋には書類に埋もれる様にギルド

長が待っていたのだった。


「おぉ、来たか?」

「はい、昨日の事と、もう一つ……」


そう言って、昨日メノウが受けた依頼の事を話した。


「なるほどな。それはこっちの手落ちだな…」

「依頼自体はこの後受ける予定です。僕もCランクに

 上がる為に必要みたいですから」

「あぁ、その通りだ。時にお前は早くランクを上げて

 降りかかる火の粉を払うべきだろう」

「そうするつもりです」


二人の会話を聞いても、メノウだけは全く理解できて

いない様子だった。


ハルカと一緒に受ける依頼は、昨日メノウが承認して

もらったポイズンリザードの10体討伐だった。


討伐個体の数によって金額も変わる。

それと、昇級試験も兼ねているので、ギルド職員で

戦闘経験のある者が付き従って採点を行う事になる。


「今日の採点は俺が行う」

「ギルド長自らですか?」

「あぁ、お前らの戦いを見ておきたいからな。それに

 よって次からの依頼もいいものを斡旋してやる」

「それはありがたいです、船に乗って行きたい場所

 があるので、資金集めに困っていたんです」


ハルカが言うと、ギルド長も知っていると言わんばか

りの顔を向けてきた。


「なぁ?なんか、話が見えねんだけど?」

「言っても理解できないでしょう?今は聞き流せば

 いいです」

「おいおい、それはねーだろ?俺にも関係あるんだ

 ろ?」

「はぁ〜………僕たちの事情は全部バレてるので、

 これからは、冒険者として高ランクになっていれ

 ば、国の自由で拘束される事はないという事です

 よ。わかりましたか?」

「お……おぅ……」


返事が微妙だ。

きっと分かっていないのだろう。

まぁ、それくらいは想定内のことだった。


こうして再びギルド職員が一人減る事となったのだ

った。


討伐依頼を受けるのはこれが二度目だった。

メノウにとっては戦闘は二度目と言ってもいい。


訓練では何度かやった事はあるが、実際に魔物を

討伐するのは、前回のゴブリン以来初となる。


「俺に任せておけば倒してやるから後ろで見てろ

 よ〜」


自信満々のメノウに、ギルド長は呆れた様にハルカ

を見下ろした。


「アレでいいのか?」

「言い訳ないじゃないですか。全く、あの自信はど

 こじゃらくるのかこっちが知りたいですよ」

「どこに行くかは決まっているのか?」

「はい、それは勿論。そろそろ、静かにしないと

 気づかれますかね」


ハルカは一旦足を止めて魔道具で魔物の位置を確認

する。

それを見ていたギルド長は、しきりに魔道具の事を

聞いてきた。


「それはなんだ?見た事ない魔道具だな」

「自作なので……見ますか?」

「あぁ、見せてくれるのか?」

「えぇ、売りませんが、見せるだけなら……」


そう言って、使い方も教えた。

そばにいる魔物の位置を探知するだけじゃなく、そ

の魔物の特徴や、数も把握できて、遠目でも見えな

い様な場所にいても探知できてしまうものだった。


これを冒険者が持てば、きっと群れなのか、単体な

のかすぐに分かって危険度が一段と減る事だろう。


だが、逆に言えば、人間の捜索にも使えるので、持

つ人によっては危険なものになってしまう。


「ヤバいな……これは」

「売らないですよ?」

「あぁ……そうだろうな」


その真意を見抜くとそれ以上なにも言ってこなかった。









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