57話 不相応な討伐依頼 (2)
どうやってメノウがこの依頼を受けれたのかは疑問
に思った。
ポイズンリザードは一人で倒せるレベルの魔物では
ないからだった。
まだEランクになりたてのメノウが受けるにはあま
りにも荷が重過ぎる。
ましてや、ギルドの受け付けを通るとは思えなかっ
たのだ。
「それで?どうやって承認してもらったんですか?」
「普通に持って行っただけだぞ?」
「そんなわけないですよね?白状するか、ギルド長
に直接言って依頼自体の取り下げをしてもらうか
どちらにするか選んでください」
「なんだよ、それ〜、ランク下がるだろ?」
「当たり前じゃないですか!そもそも、少人数で倒
す魔物じゃないんです。そもそもポイズンリザー
ドがどこにいるか知っているんですか?」
知ってて当たり前の事を聞いた。
だが、メノウは胸を張る様に自信満々で答えた。
「森だろ?この前採取してて、出て来たからな」
「ハズレです。河辺か、泉のそば、いわゆる水の近
くに巣を作る習性があるんです。そして今は産卵
期!群れで生息するポイズンリザードを下手に攻
撃すると、群れに襲われると言う事です」
せめて1匹づつなら、なんとかなるかもしれないが
群れとなったら話が違ってくる。
「だったら、どうやって倒すんだよ?」
「それを言ってるんですけど……そんな事もわから
ないで依頼を受けたんですか?」
全くもって冒険者には向いていない。
魔法は自信を持つだけあってか、威力はある。
だが、コントロールが未熟なせいで仲間がいれば
絶対に巻き込むだろう。
剣の腕は並で、作戦を考える能力はゼロに等しい。
油断も多く、集中力散漫。
「これでは先が思いやられそうですね…」
作戦がないわけではなかったが、それを今教える
気にはなれなかった。
「では、明日までにどうやって倒すか考えて、明日
答えられるようにしておいて下さい」
「は?今から行かねーのか?」
「行っても何も出来ずに帰ってくるだけだと思いま
すよ?それに一人で行って怪我したらどうするん
です?誰も助けてはくれませんよ?」
「それは……確かにな……」
一応、納得したのかベッドの上に座ると考えている
様子だった。
明日までに何かいい案が浮かべばいいのだが……。
ハルカの方は、これからの事を考えねばならなかった。
ギルド長にばれていると言う事は、他の冒険者や、
ギルド職員にバレていると見ていいだろう。
いつどこから密告があるか分からないと言う事だ。
ギルド長が言っていたように、ランクを上げて簡単
には拘束できない身分になるのが一番安全なのかも
しれないと考えていたのだった。




