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黒の錬金術師  作者: 秋元智也
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52話 討伐依頼 (11)

結局、ハルカは起きてからその日初めての食事を

したのは3つの鐘が鳴った時だった。


鐘一つは、仕事終わりを告げる合図。

鐘二つは、貴族通りと平民達の暮らす通りの門を

閉める合図。(ただし、高貴な貴族は閉まった後

でも、通る事は可能)

鐘三つは、この街の外へとつながる門が完全に閉

まる合図だった。


子供は鐘が二つ鳴った頃には家に帰り外をうろつ

く事はない。

大人でも、冒険者でなければ、早々家から出る事

はないのだった。


「もう、鐘三つ鳴ったぞ?どこへ行く気だよ?」

「ギルドに……そうでした。ここでは、緊急性が

 ない場合は鐘三つ鳴った後は家にいるのでした 

 ね……忘れてました」

「普通知ってるだろ?変なやつだな」

「師匠と暮らしていた時は、時間の感覚もなく研

 究に没頭できたのですがね。不便ですね…」

「………」


メノウは、ハルカが拾われた年くらいの頃といえ

ば、自分の思い通りにならないと癇癪を起こして

は兵士に迷惑をかけていたものだった。


「お前さぁ〜」

「………そのお前呼びやめてもらえます?メノウ

 さんは人の名前も覚えられないほど頭が悪いの

 ですか?」


嫌味で返してくるハルカにイラッとしながら言葉

を訂正した。


「ハルカは、いくつからあのジジイと一緒にいる  

 んだ?」

「そうですねぇ〜、かれこれ5年……6年くらいで

 すかね……?」


それは、弟子を追い出して一人になった頃だろうか。

その頃は嫌味をいいに、メノウはよくあのジジイに

突っかかっていった時期だった。


いつも嫌味なジジイだったが、寂しそうに見えた事

は一度もなかった。

それが不思議だったが、その頃ハルカを拾ったのな

ら納得がいく。


「10歳の子供を身元もわからない僕を師匠は拾って

 自分の家に連れ帰ってくれたんです」


みんなにどう言われても、師匠は命の恩人なのだ。

生活も、一般常識も全部教えてもらった。

生きるすべや、魔道具で生計を立てる方法。

一人になってもやっていけるようにと、あらゆる

知識を教えてくれたのだった。


そのおかげで、今のハルカがあるのだった。


師匠にとっての常識なので、それが一般常識かと言

うとそうとは限らない事も多々ある。


だから、色んな所に行って直に体験するのが一番い

いのだ。


結局、師匠に口から聞いた傑作の魔道具も全部は見

せてもらえなかった。

こんなところで見られるとは思ってもみなかった。


「国を出るのも悪いことばかりではなかったのでよ

 かったです。」


得るものは確かにあった。

ハルカにとっては、いい体験だった。


真実の水晶の構造は見ていると複雑そうに見えるが、

実際は結構簡略化できることに気づいてしまった。


それは複製を禁止させるためにわざと複雑に作られ

ていたという事だった。





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