49話 討伐依頼 (8)
結局、明け方近くまで灯りがついていた。
「あのさ、今日は討伐行くのか?」
メノウは昨日見たポイズンリザードを思い出すと
気になって仕方がなかった。
もし、自分たちだったらどうやって倒していたの
だろうか?……と。
ハルカなら、どうしただろう?
昨日の毒に侵された人は助かっただろうか?
あのパーティーはあの大きさのポイズンリザード
を倒してどうやってギルドに運んだのだろうか?
疑問ばかりが膨れていく。
「何か聞きたそうだね?今日はお休みかな。毎日
戦うなんて効率が悪いですからね」
ハルカは今日一日、部屋から出るつもりはないら
しかった。
明日はギルドで依頼を受けると聞くと、メノウは
一人でギルドへと向かった。
今日も簡単な一人でも出来る採取依頼を受ける予
定だ。
今日はいつもよりギルド内が騒がしかった。
「何かあったのか?」
メノウは近くの冒険者に聞くと、何やら冒険者同
士の揉め事があったらしいことを知ったのだった。
「なんか、ポイズンリザードを倒している時に、
別の冒険者が邪魔して来たらしいぜ?それで仲
間が負傷して今治療院にいるらしいが、もしか
したら……だってよ?マナーのなってねー奴が
いるもんだよな〜、兄ちゃんも気をつけな」
「あぁ……そうだな…」
昨日メノウ以外にもあの場にいたのだろうか?
不思議な事もあるのだと思うと、依頼書を持って
受け付けまで行った。
「今日も採取依頼で…」
「メノウさん……貴方、他の冒険者の邪魔をして
怪我まで負わせたそうじゃないですか?」
「はぁ?怪我?なんのことだ?」
全く意味がわからなかった。
昨日は普通に採取してギルドへ提出しただけで
誰とも関わってはいない。
むしろ、怪我させたとはどういう事だろう?
「そもそも、俺は昨日森で採取してここに来た
だけだぞ?」
「ですが、メノウさんの特徴に似ている人に、
ポイズンリザードの戦闘中に邪魔されたと言
っている人たちがいるんです。このギルドの
常連なんですけど……」
「そんなの知らねーよ。何もしてねーのに疑う
のかよ?」
「それは………なら、証拠を出してもらいます。
上に来てください」
ギルド職員は2階へとメノウを誘った。
そこに待っていたのはこのギルドの長だった。
厳つい男性で、その目の前にはまあるい水晶が
置かれていた。
「こいつが例の?」
「はい、そうです。今から嘘を言えば反応するの
で真実のみ言ってくださいね」
「嘘なんて言わねーよ」
メノウがイラつきを覚える。
水晶に手をかざすと、次々と質問された。
「昨日、ポイズンリザードと戦っているパーティ
ーと遭遇しましたか?」
「あぁ、だが、もう一人毒にやられてたぞ」
「戦っている最中に横から攻撃しましたか?」
「してねーよ。ただ眺めて、帰ったよ」
「では、昨日、よそのパーティーメンバーを攻撃
しましたか?」
「するわけねーだろ?」
「………全部事実ですね」
「あぁ。なら、訴えているそのパーティーの方を
連れて来い」
「はい、分かりました」
そういうと、メノウの疑いは晴れたらしかった。
「悪かったな。こういう時は、まずは魔道具で
事実を確認するって決まりなんだ。もう出て
行っていいぞ」
「疑っておいて、それだけかよ?」
「あぁ、それだけだ。冒険者ってのは、そういう
荒くれ者が多いからな」
疑いは晴れたが、なんかしっくりこなかった。




