47話 討伐依頼 (6)
冒険者は最初F級からスタートする。
メノウは最近登録したてなのでF級だった。
この前のゴブリン討伐でやってE級へと昇進した
のだった。
それに引き換えハルカは師匠と一緒に登録してい
たので、もうD級になっている。
そして今回C級への昇格試験を受けないかと言わ
れていた。
ポイズンリザードを10体討伐出来れば晴れてC級
へと上がれる。
そしてメノウもD級への最速昇格が決まるだろう。
メノウにとっては報酬も上がるので是非にも行き
たいところだった。
が、ハルカはそれを拒否したのだった。
『まだ、早いです』
その一言に、メノウはイラつくとそこで別れた。
ギルドで報酬を貰って分けたところまでは仲良く
なれた気がした。
だが、ハルカはメノウがしようとする事には、こ
とごとく反対した。
「なんでだよ。あれだけ強ければ平気だろ……」
ゴブリン討伐の時も、確かにキングを倒したのは
メノウだが、瀕死になったキングを切っただけで
そこまで瀕死にさせたのはハルカの魔道具だった。
もう魔道具という域を超えている気がする。
これは一種の兵器に近い気がする。
もし、ハルカが別の国へ行ってそこで武器にも手を
出したら?
あの能力を兵器開発に向けたら?
相手国がオスタリア公国だったら?
もう考えるだけで不安になる。
イーサは腹違いといえど兄弟なのだ。
心配しないわけはない。
「どうしてこうなっちまったんだろうな……」
別にハルカが悪いわけではないのは知っている。
いつも調子に乗るメノウをいさめる人などいない
のだ。
父はイーサの事を大事に思っていたし、いつも可
愛がられるのは末のアンバーだ。
「そういえば、アンバーはどうしてるんだろう…」
アンバーだけはいつも『メノウ兄さま〜』と言っ
てなついていたっけ。
思い出すと、懐かしくなる。
まだ数ヶ月の逃亡生活だけど、ハルカと一緒なせ
いか、そこまで苦労もしなかった。
忙しなく依頼を受けてはいたが、食事や泊まると
ころには苦労しなかったからだ。
少し常識外れなところはあっても、さすがあのジ
ジイの弟子というだけはあったのだった。
メノウは手元にある巾着を眺めるとため息を吐き
出した。
一回の討伐依頼で稼いだ分の半分は入っている。
それでもかなりの額になっている。
船に乗るにはまだまだ必要だったが、酒を飲んで
豪遊するには十分な稼ぎだった。
国にいた時なら、お金を稼ぐことなど考えもしな
かった。
今、国を追われてやっとお金というもののありが
たみが理解できたのだった。
「もうちょっとやるか……」
メノウは、森の方へと向かうといつも取っている
薬草がありそうな場所へと来たのだった。
薬草採取は常に依頼が出ているので、取ってから
受けても何ん問題もない。
ただ、メノウはただ引きちぎってくるだけだった
せいか買い値もかなり安くされてしまっていた。
今日は腰の短剣で丁寧に切り取ると鞄に詰めてい
ったのだった。
見つけた数は少ないが、持って行った分だけ買い
取って貰えるので安価でも需要はあるのだ。




