43話 討伐依頼 (2)
ゴブリン討伐は10匹単位で銀貨20枚。薬草をちま
ちまと取ってくるよりも稼げるのだった。
「さぁーて!行くぞ〜」
「少し静かにしてもらえます?」
「何をコソコソしてんだ?」
「音が入るので、口を閉じてくださいよ?」
そう言って、ハルカは自分の作った魔道具を起動
させたのだった。
前方に数体の反応が現れると、距離にして1キロ
といった感じだった。
「この先の前方に固まってる……数はおよそ8体」
「なんだよそれ、俺に使わせてくれよ?」
そう言ってメノウが面白いものを見つけたかの
ように持ち上げると、感覚を共有した。
目で見えている訳でもないのに、先にいる魔物
の気配が手に取るように見ることができた。
「これはすげーや、やっぱりあのジジイの弟子
なんだな…」
「勝手に使わないでくださいよ」
「悪い、悪い。じゃ〜いくか!」
そういうと、二人は慎重に歩みを進めたのだった。
距離と位置が分かれば、先手を取れる分こちらが
有利な状況だった。
ゴブリンは人間より小さくまるで子供のような身長
だ。
だが、力は大人の男性ほどの腕力がある。
動きは少し鈍いが、知能は多少あるので、一度失敗
すると次は別の作戦でくる。
ゴブリンキングが群れにいれば、連携の取れた動き
や、魔法を使うゴブリンシャーマンも一緒にいる場
合もある。
それを踏まえて、今いる群れは8体。
という事は、先行で来ている可能性もあった。
依頼はゴブリン討伐だが、数が記されていない。
数に応じて金額も上がる。
師匠なら、こんな場合近くにゴブリンの集落が
あると判断するだろう。
となれば、やる事は一つだった。
「奴らを倒す時に、1匹逃すようにしよう」
「なんで逃すんだよ?全員仕留めればいいだろ?」
メノウは不思議そうに振り返った。
全員仕留めるつもりらしい。
「これで終わりじゃないですよ?この先にゴブリン
の集落ができていると思われるので、そこを突き
止めて、全員討伐した方がいいと思うけけど?」
「なるほどっ!お前、賢いな!よし、1匹逃すぜ」
気合いを込めてメノウは剣を抜くと、音を立てない
ように近づいていく。
森の中では高い草や木で身を隠せる。
もちろんゴブリンにも有利だったが、ハルカの魔道
具のおかげでこっちからは、敵の位置が丸見えだっ
たせいか、メノウが真後ろに来るまで気づかなかっ
たらしい。
一気に駆け出すと2匹を切り捨てた。
その勢いで残りの1匹に剣を突き立てる。
やっと敵に気づいたのか、残りの5匹は散り散りに
逃げようとしたところに炎を全面に放った。
「逃さねーって言ってるだろっ!」
メノウの手から放たれる炎に3匹が焼かれる。
確かに、火力はあるようだった。
逃した2匹のうち1匹はハルカのいる方へと逃げて来
ると目の前の罠に引っかかると、即死したのだった。
雷針はかなり強力だったらしい。
丸こげになるとぴくりとも動かなくなったのだった。




