40話 真面目な働きぶり
アネスタ王国ではメノウが真剣にギルドの依頼
をこなしていた。
毎朝地下の下水道へと行くと自分の担当の清掃
に明け暮れていた。
この1週間ずっと通っていたせいか汚さや臭いに
慣れてきたのだった。
最初は文句ばかりだったが、この仕事のお陰で
生活費もだいぶ浮いたのだった。
「ただいま〜って、メノウさん、また臭くなっ
てますね?まぁ、真面目にやってるようでい
いですけど……ちょっと部屋に来る前に洗っ
てきてくれます?」
「そんなに臭うか?」
「汚物の臭いがしますよ。全く……明日で最後
でしたっけ?」
「あぁ、疲れるが金はいいんだよな〜」
「でしょうね。ギルドでも担い手のいない依頼
だと言っていたので」
メノウに匂い消しの薬を吹きかけた。
一応メノウも外の井戸で身体を洗っては来たら
しいのだが、多分水だったせいでしっかりと臭
いまでは取れなかったのだろう。
ハルカは自分で調合した『匂い消し』をメノウ
に投げてよこしたのだった。
「今度からは部屋に入る前にかけてから来て下
さい。臭くてたまらないです」
「そんなに臭いか?」
「自分でわからないほど鼻が腐っているんです
ね?ご愁傷様です」
「おい、言い方があるだろ?」
「別に、僕に関係あります?まぁ、ある程度お
金が溜まったのならいいんじゃないですか?」
「あぁ……まぁな」
最初、宿代も払えない程しか稼げなかった為、
ハルカと同じ部屋に泊まる事にしたのだった。
まだ、いつ追ってが来るかも分からない状況だ
ったので、それでもいいかと了承したのだが、
自分で自分の分を稼げるようになったのなら、
別々の部屋を取ってもいい気がしたのだった。
「部屋分けるように今から言っておきましょう
か」
「いや、まだこのままじゃダメか?今はいいけ
どさ〜、もうすぐ下水の仕事も終わるんだよ」
「あぁ、なるほど。また薬草採取だった時に儲け
が落ちると思ったんですね。だったら、もっと
丁寧にとったらいいじゃないですか?貴方も、
少しは学習したらどうなんですか?」
ハルカの言葉は正しかった。
乱暴に引き抜くから鮮度がすぐに落ちて報酬が減
るのだった。
ハルカの言った通りに、ゆっくり丁寧に扱えば、
少しはマシな稼ぎになるかも知れなかったのだ。
短気なメノウには少し難易度が高い気がするが。
それでも、今までの採取には少し反省しているら
しかったのだった。
オークション会場の警備で一番難しいのが、入場
ゲートでの警備だった。
監視も含めた、入場する人の全員の荷物と危険物
を隠して持ち込んでいないかをチェックする場所
だった。
ハルカは魔道具のお陰で、しつこく聞かずとも
簡単な質問をしているうちに、持っている物の
中身を見て安全かを判断していた。
だから、周りから見たらハルカのいるゲートだ
けが、客がスムーズに流れているように見える。
だが、実際は見落としがなく、ー番厳しくチェ
ックされているなど、身内しか知らない。
まぁ、はたから見たら荷物検査もさほどされて
いないように見えるのだった。
そのせいか、怪しい荷物を持った人間は自ずと
ハルカのいるゲートを選ぶ別室へと案内される
事となっているのである。
「ハルカ、今日も多かったわね」
「えぇ、なぜか僕の方に見つかりに来るんです
よね〜。違法な物は持ちこなきゃいいのに…」
そう言えるのはハルカだけだろう。
今月に入ってから通報案件がもう8件に渡って
いたのだった。




