37話 同盟と婚約 (3)
ロザリア嬢がオスタリアに来て数日。
昨日は着いて早々に夜は盛大な晩餐会が催された。
国同士の使者を歓迎するとあってか、豪勢な歓迎と
なった。
そして、イーサの婚約の発表の場でもあった為に、
これほどめでたい事はないのだろう。
晩餐会だけではなく、王都中にも知れ渡るほど大々
的なお祭り騒ぎとなった。
城下町では、酒をのみ道端で眠る者多かったと聞く
ほどだった。
そして次の日は、お茶会とあって貴族令嬢達がこぞ
ってロザリア嬢を誘ったという訳だった。
ロザリア嬢はいたってふくよかで、おとなしい性格
の人だった。
第二婦人の座を狙う貴族令嬢達にいびられないかが
心配だった。
ここで貴族令嬢達が、万が一にもロザリア嬢の機嫌
を損ねる事にでもなったら、ニ国間での同盟の話も
危ういものとなるだろう。
それだけではない。
最近、きな臭い北の国、ナニス王国に攻め入る隙を
与える事となるのだ。
そこでイーサはそのお茶会へと行き、ロザリア嬢を
連れ出すという計画を立てていた。
案の定、お茶会に着いた時には、ロザリア嬢を笑い
者にしようとしている令嬢の辛辣な言葉が飛び交っ
ていたのだった。
「国を担う令嬢ともあろうお方が、なんですの?お
茶会のドレスにはコルセットなどはめる必要ない
とでも?舐められたものね」
「わたくしたちは日々コルセットをして美しくして
いると言うのに……お化粧だけでは、そのふくよ
かなボディーは隠せませんわね?」
「なんと見苦しい事……イーサ様が可哀想ですわ」
自分達がどれだけ『美』に力を入れているかを力説
していた。
イーサはそんな中を堂々と分け入るとロザリア嬢の
前に膝をついた。
「ロザリア嬢、お迎えにあがりました。このあとは
私に付き合ってくださいませんか?」
「まぁ、イーサ様……どうしてここに」
「イーサ様、お可哀想ですわ」
口々に言われる外野の声を無視するとロザリア嬢へ
と微笑んだのだった。
困っている様子だったロザリア嬢は、イーサの手を
取ると、その場を離れたのだった。
馬車へと乗り込むと、ペタリと座り込んだのだった。
「ごめんなさい……私、私は…」
「ロザリア嬢は今のままで可愛いですよ?私は今の
ロザリア嬢が好きです」
「……」
ぽろぽろと涙を浮かべると、嬉しそうに微笑んだの
だった。
機嫌を取るのも楽ではない。
ロザリアが単純だったから良かったものの、貴族令
嬢には困ったものだった。




