お土産という名のプロポーズ
ただいまと大きな声で響く玄関には
少し窶れた貴方が立っていた
貴方が取り出したのは小さな箱
お土産だと小さな声で渡してきた
私はありがとうとお礼を言いながら
その場で袋を開けると中に入っていたのは
黄金色に輝くトパーズの指環
初めて贈られた指環に胸がときめいてしまう
まさかそんなことあるのと疑問に思ったけど
遅くなったけど結婚してくれるかと
ハッキリとプロポーズをされたの
本当にもう紛らわしいのだから
最初からプロポーズしてくれたら良いのに
もうお土産なんて言われたら断れないじゃないの
断るつもりなんて元から微塵もないけど
だって私はずっと貴方を待っていたのだから
こんなに嬉しいお土産はないわ




