雷
ある時、雷は考えた。
『この男には、悪魔が宿るが、どうやら邪心はないらしい』
そうして雷は男の娘に落ちた。
そのことを男は悲しんだ。そうして雷が降り、一日が経った。
ある時、天上で神は考えた。
『この男は、なぜこんなにも無惨に人を殺すのか。なぜ、慈愛もないのか』
そう考え神は男に天使を贈った。天使は、その男の心を癒し、真心を取り戻させた。一日が経った。
男はだんだん成長していった。そうして詩が上手くなっていった。
しかし詩は一向に売れない。
男はそれでも頑固に書き続けた。
そうして男の詩は他の土地で売れた。そうしていくばくかの富や女をもたらした。
しかし神は男に怒った。そのあまりにも上手い詩に。
男は詩が下手になった。
後のことは省略する。男は神になった。
男は後に、西へと行くのだろう。歌い手の娘とめあわされるために。