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 寝たきりの私は、甲斐甲斐しく世話を焼かれベッドで過ごす日々が続いた。

 漸く普通に生活できるようになった所で、ティアーズ王国の研究所へ案内してもらい癒しの力について学ぶ機会を得ることが出来た。今は、多くの文献と睨めっこしている。

「過去に癒しの加護を持っていたのは、ティアーズ王国の獣人の方が多いのね……」

 図書館の机で独り言を喋っていると、

『そもそもね、一番初めは癒しの力を人のためじゃなくて動物のために使ってたの。自然災害で傷付いたり、魔物に襲われたり、人間の戦争に巻き込まれた可哀想な非力な動物たちのための力だったのよ』

「だから獣人の方が加護を与えられる機会が多かったのね?」

『そう!リコの場合は神様から直接貰ったでしょ?でも、もとはウサギのリコだったし……やっぱりこの加護向いてるんじゃないかしら。リコは自分の力をどう使いたいの?』

「どう……?そうね、せっかく与えられた力だから、みんなのために使いたいわ!」

『リコならそう言うと思った。ちなみにその力、極めればもっと色んなことが出来るよ?』

「ジュニス、知ってるの?」

『まぁね、カイロスとは知り合いみたいなものだから』

「か、神様を呼び捨てとは……ジュニス様って呼んだ方が良いかしら?」

『やだ、やめてよ!今まで通りにしてね』

「極めたら何が出来るの?」

『例えば、癒しの力を込めた陣を空に展開したり、モノに癒しを付与することもできるよ。でも、一つだけ注意してほしいの。この力には副作用もある。精神が乱れた人や動物を癒すと、影響を受けてリコ自身が体調を崩したりすることもあるから……無理は禁物よ?』

「それは、ちょっと怖いね」


 私とジュニスしかいない図書館にいくつかの足音が聞こえて、「リコ!」声の主がロイファーと分かるとパーっと笑顔が溢れ振り返った。隣にいる人物に驚いて思わず口を手で覆ってしまった!

「エデン先生!!」

「アプリコーゼ様、お久しぶりです」

 もう何年も会えていなかったエデン先生がミミと共に訪れてくれたのだ。

「ミミー!!元気だった!?こんなに大人な女性になって……それになんか、とても逞しいわね」

「リコ、私ね貴方と出会った時からずっとお兄様に稽古をつけてもらって騎士を目指してたの。そして、先月騎士団試験に合格したわ!貴方を護る一人になりたかったの。私、もっと強くなってリコの護衛につけるくらい鍛錬を積むからね」


 一緒に勉強してた頃から……?あんなに可愛くて非力に見えた子犬ちゃんが、私のために剣を握ってくれてたの?

「私たちはずっとアプリコーゼ様に会いたかったんだよ、何度かマルメラーデ殿下にお願いしたが相手にしてもらえなかった……。とてももどかしくてね、今回の留学の件を聞いてサイアスを通じて漸く会えたと言うわけなんだ」


 ツーっと一筋の涙が頬を伝う。

 私も会いたかった……、どれだけお願いしても会えなくて、監視の目があるから下手なこともできなくて……。涙を見たミミが優しく抱きしめてくれた。抱きしめられた温かさがまた涙を誘い、私は声をあげて泣いてしまった。

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