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◇◇◇◇

「癒しの力が暴走してしまったねー」


 か、神様……!目を擦って辺りを見回せば見たことのない場所に座り込んでいた。

「ここは?」

「ここは、私のお気に入りの場所なんだ。しばらくぶりだね、元気にしていたようで何よりだよ」

「どうして」

「君が放出した癒しの力は、あまりに莫大すぎてね!私もビックリして思わず出てきてしまった。今は夢の中だから身体は何ともないだろうが……目覚めたらだいぶ辛いはずだ。力の暴走は時に命の危険もある。まぁ、私の加護持ちだ、死ぬ事はないけどね。はははっ」

「はははっ、じゃないわよ!暴走した力はどうなったの!?まさか、ロイファー死んじゃってないよね?」

「死ぬどころか、君の癒しの力に当てられてだいぶ底上げされてるはずだよ。それに、ティアーズ王国の人もかなり驚いているだろうね」

「えっ……私の力ってそんなにすごいの?」

「だから言っただろ?とびきりの癒しだと」


 これって、目が覚めたら……良い意味で嫌な予感がするわ。覚悟して目覚めたほうがよさそうね。

「ねぇ、最初に言ってた“彼”ってロイファーの事だったのね?」

「……そうだよ、君が彼の運命の相手。ウサギを経由してしまったから年齢がだいぶ離れてしまったけどね。さて、そろそろ目覚めてあげた方が良さそうだ。少しだけ身体が楽になるよう助力してやろう。早く力のコントロールを覚える事だ、ではまた!」



「ぅう……ん、」

「リコ!」

「……ん、ロイファー……」

 起き上がろうにも身体が重たい!えっ……起き上がれないんですけど!助力してくれたんじゃないの?……もしかして助力がなかったら、もっと酷かったってこと?「ゔっ、」呻き声が漏れる。

「リコ!良かった……護ると言ったのに……」

「大丈夫よ、ロイファー。それより貴方は大丈夫?」

「たぶんリコの力に当てられたんでしょう……身体強化がすごくてまだ限界が分からないほどで」

「えっ、」

「リコから凄まじい力を貰った気が」


 コンコン!

「ロイファー、入るよ」

 ベフォーア王子に続いて、サイアス様やユリーも入ってきた。

「お、お嬢様!心配しました、また長く眠られてしまうんじゃないかと……お目覚めになって良かった……すぐお着替えをお持ちしますね」

「心配かけてごめんね、ユリー」

「アプリコーゼ嬢、目覚めて早々申し訳ないが報告がある。まず、君の加護があまりに強すぎてティアーズ王国全体に癒しの力が降り注いだ」

「……!?」

「結果、外傷はもちろんのこと、地方に蔓延していた流行病まで消えた。今、影響を受けたのが人や獣人だけだったか調査している」

「あ、あの……」

「異変に気付いた者たちから、問い合わせが殺到し政務官は最早パンク状態だ。皆、女神様に会いたがっている」

「私、」

「そこでだ!体調が戻り次第、披露目をしよう!」

「……はい?」

「今まで何年も力を使えず、カトレアでも辛い思いをしたことだろう。ここらで見返してやろうじゃないか!ついでに、ロイファーと婚約したいと思わないか?」

「……!したい!したいです、出来るんですか?」

「ははははは、そこは随分前のめりだな!我が国を救ってくれたアプリコーゼ嬢の願いを叶えよう。ロイファーも覚悟はいいか?」

「えぇ、リコのためならもう迷わない」

「よし、まずはアプリコーゼ嬢の回復を待とう。それまでに出来る準備から始めるとする」


 ……堂々とロイファーの隣に立ちたい。

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