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 馬車へ急ぎ戻り、駆け込んだ私はジュニスの様子を伺うが、ぐったりした様子は変わらない。

「ジュニス、ジュニス!私よ、リコよ!」

 呼びかけても動かず、一刻を争う様子に屋敷へ急ぐ様叫んだ。まず、この鳥籠が特殊すぎて開けられない。手をかざしてもやっぱり癒しの力が発動しない。神的加護ってなんだったのよ!この役立たず!そう思い、何も出来ないまま屋敷に到着した。



 籠を抱えてお父様の書斎へ走った。

「お父様!ジュニス……ジュニスが!お願い、助けて!」

 突然、涙を流しながら走ってきた娘に驚き、慌てて駆け寄った。

「リコ!何があった?」

「王妃様とお茶会が終わった後、頭が痛くなって助けてって声が聞こえたの……。温室で鳥籠に入ったジュニスを見つけて、死んじゃったらどうしよ!どうしても籠が開かないの!」

「大丈夫だ、リコ。ちょっと待ってなさい」

 お父様が引き出しから持ってきた物によって、カチ、カチカチカチ……!

「ほら、開いたよ」

 今のは何?お父様は何をしたの?


『リコ……、つれ……てって、ロイファーのところに』


(……なんで!?今、ロイファーの名前が出てくるの?でも、)


「ジュニス……絶対あなたを助けるから。お父様、私ロイファーの所へ行きます」

「リコ、落ち着きなさい。今、ジュニスはなんて言ったんだ」

「ロイファーのところへつれてって。きっと何か理由があるはずだから止めないでお父様」

「……わかった。ユリー、今すぐクライゼルにサイアスを連れてくるよう伝えるんだ」


 ユリーは急ぎ部屋を後にすると、再びお父様が引き出しに手を掛け、一通の手紙をアプリコーゼへ渡した。表も裏も記名はなく、封蝋が押されたまま。

「これは、少し前にロイファーがリコへ当てた手紙だ。私宛の手紙と一緒に入っていたんだ」

「読んでいいの?」

 静かに頷いたお父様を確認して手紙を取り出した。



◇◇◇◇


 アプリコーゼ様へ


 変わらず元気にお過ごしでしょうか?

アプリコーゼ様に何も言わずにお屋敷を出た事、心からお詫び申し上げます。あの日、王家からの命で国境の地へ任務に赴き、この国の平和と貴方様の事を思いながら辛く厳しい任務を行ってきました。


 そして今、私はカトレア王国を離れティアーズ王国 王立騎士団団長の職を得て任務に当たっています。傍にいるとお約束したのに……申し訳ありません。いつか必ず貴方に会いに行きます。その時、とても大切なお話があります。手紙に書くことが出来ない無礼をお許しください。成長したアプリコーゼ様にお会い出来る日を心よりお待ちしております。


ロイファー・アインツェルゲンガー



◇◇◇◇

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