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真夏のダイヤモンドと、ルビーの星

作者: 逢乃 雫

はてしない空色の


キャンバスを



風のひと吹きずつが


上塗りするように



見上げた彼方に


広がりゆくわた雲



蝉時雨にさざめく


夏を聴きながら



白南風(しらはえ)がそっと


夕映えの頬をかすめて




朱夏を見つめる


瞳は情熱の色をして



サルビアの鮮やかな


緋色の花びらが


葉の翠に映えるとき



花火草の実は


はぜるいくつもの


想いと火花のように




夏空を彩る


打上花火のように



天の頂を照らす


虹の七つ星は


かんむり座の星



ゲンマは空の宝石


花火のような


光は天高く


輝きをそのままに



夜の海の渚へと 


打ち寄せる星の


波打ち際のように




夏空を焦がす


打上花火のように



南の地平線の上に


浮かぶ蠍の火


アンタレスの星



透き通るほどに


煌めきを宿す


ルビーのように



空を紅く


染め上げながら




夏の夜空に


熱を帯びていく


風とともに



夢はきっと


花火のように



心の空を明るく


照らす光の華



そして夢は


消えずに心の空に


輝き続ける星の花



瞳に映る光の華が


未来に描く星の花が


今を照らして




見上げた空高く


星の竪琴から


放たれるベガの光



それは


真夏のダイヤモンド



夢や憧れ


宝石のような


気持ちの一つひとつが



はてしない心の(そら)


星の光となって



たとえ風に瞬くときも


雲の向こうにあるときも


雨粒が頬を打つときも



行く先の地平線を


照らす紅い星のように 



天高くにかかる


虹の七つ星のように



そして


心の宙にいつも


光る真夏の、


ダイヤモンドのように


















ルビーは7月の誕生石で、中世には石の中で星が紅く燃えているともいわれました。石言葉は「情熱」「自由」です。また、こと座のベガは、夏の星座の星の中で最も輝くことから、「真夏のダイヤモンド」と呼ばれます。


かんむり座は、夏にかけて空高く輝く半円形の七つ星で、その形から「虹星」とも呼ばれます。二等星のアルフェッカは別名を「ゲンマ」(ラテン語で「宝石」)といいます。


サルビアは、夏に小さな紅い花がたくさん咲き、「燃える思い」という花言葉があります。


花火草は、爆蘭はぜらんの別名で、花と実が火花のようにつき、花言葉は「真心」です。白南風しらはえは、梅雨明けの時期に吹く風のことです。


季節の花や星、宝石をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 夏の花火や、星空に輝く星たちが目に映るようでした。 蠍座にひときわ輝く赤いアンタレス。 ベガが「真夏のダイアモンド」と呼ばれているのも素敵ですね。 ダイアモンドとルビーの星。 星空のキャン…
[良い点] 風が雲を呼び、夜空には花火が映え、星座はダイヤモンドとなり、キャンパスに埋めていく。 言葉の連なりや季語がとても自然であり、リズム感も素晴らしいと思います。 [気になる点] 特にございませ…
[良い点]  星の欠片から花と宝石が出来たようにも思えて来る素敵な詩です…☆ [一言]  爆蘭という名も知らず、見た事があるのかも判らぬ花を調べる気にさせる詩の力に、学びを詩で得られる幸せは、花火草と…
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