誰が
俺達は、村長さんに礼を言い、家を出た。
まとめていうと、魔王の居場所は分からないが、旅をするのには車があったほうがいいだろう。
車は、近くのトンネルを越えて、少しいったところの国に、安くで売っているらしいとのこと。
とりあえず、俺達はそこを目指すことにした。
「まあ、目指す場所が見つかってよかったね」
アヤちゃんに話し掛ける。
「だね。早く行きたい――ところだけど、今日はもう遅いから、宿屋に泊まりましょ」
そういえば、あたりは薄暗くなってきている。こっちに来てから初めての夜。なんだか、妙なきぶん。
俺達は、村の真ん中にある宿屋へ向かって歩いていた
「あー、今日は疲れたぴ。」
「疲れたぴ?」
「あっ。あたしの口癖ね。覚えといて。」
「やだよ。」
よく分からないので、意地悪っぽく返事を返す。「ぷーだっ!」
「…それも口癖?」
「そだよ」
彼女は不思議系になりたいのか、ツンデレ系なのか、よくわからなかった。
「あなた、前の世界で彼女とか居たのこと?いないよね?」
「なんで決めつけんので?」
「見た目で」
殺意が湧いた。大体、こういう無神経な事をいう奴がいるから、俺は死にたくなるんだ。
あれか。結局、顔か。しねシネ死ね。
俺は、今の今までアヤちゃんに好意を抱いていたと思う。可愛いし、ボディタッチ多いし、なんだかアヤちゃんとなら上手く喋れるし。
でも―――
その気持ちは今死んだ。
きっと、あれだ。キミも同じだろう。あの僕を馬鹿にしたような目で見てくるあいつらと。
きっと、キミも僕を否定するだろう。僕の容姿、仕草、全てを拒否するのだろう。
ああ、ふざけるなよ。なんで、こんな訳わかんない世界に来てまで、こんな思いをしなければならないのだ。
僕は―――
俺は、なんだかこの世界にも希望がないような気がしてダルくなった。
だから、それからアヤちゃんが話し掛けてきても、適当に相槌を打つだけだった。