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プロローグ

 私、橋本いちごはどこにでもいるような普通の高校生です。2年生の夏休みに幼馴染である海崎 葵(うみさきあおい)に告白をしようと考えていました。あーちゃんはお家が隣同士ということもあって生まれた時からほとんど一緒に過ごしてきました。幼稚園から高校まで学校も同じなので周りからはそんなに一緒に居て飽きないの ?って聞かれることもありましたが私たちにはそれが当たり前でした。



 あーちゃんはとても美人さんです。背も高くて顔も綺麗で誰からも人気があるようなタイプ。何回も告白されるのを見たり、ラブレターを貰ってるのを見ました。誰が見ても好きになっちゃう容姿をしているから納得です。対照的に私はと言うと背も低いし、顔もあーちゃんに比べたら全然綺麗じゃなくて平凡だと自分では思っています。容姿とか気にせず仲良くしてくれるあーちゃんには感謝しかありません。




「いちごー ?どうした ?辛そうな顔して」


「あーちゃん……あのね、私」


「ちょっと待って、いちご。ちゃんと座れるところ探そう」


「え ?あ、道端だったんだ……」


「ちょっと大丈夫 ?ほら行くよ」


「うん」




 ずっと一緒に過ごしてきたあーちゃんのことをいつからか親友や幼馴染以外の目線で見ていることに気付きました。はっきりと自覚したのは中学3年生の進路期間の時、もしかしたらあーちゃんは頭がいいから別の高校に行くことになるかもしれないと一人でモヤモヤ悩んでいた時私これからあーちゃんが居なくても生きていけるんだろうかと考えて考えてやっぱりあーちゃんが居ないなんてありえない、耐えられないと思いました。



 あーちゃんにもし振られたらそれはそれで生きられないのを覚悟しなければいけませんが、最近サッカー部のイケメンがあーちゃんを狙っていると知ってこのままでは私はただの幼馴染というポジションで終わってしまう。それならば告白くらいは頑張ってしてみてもいいんじゃないかなと思ってさっき口にしようとしたら何かを察知したあーちゃんがそれを止めた。よく見たら道端であーちゃんと遊んで家に向かってる途中でした。



 あーちゃんと私の家の近くに小さな公園があって今の時間帯は人も減っているだろうからってそこでお話しすることにしました。公園の入り口にあるベンチに腰掛けました。いざ告白をしようとするとこんなにも緊張するんだというのを身をもって感じています。心臓が今までに感じたことのない速さで動いているから。あーちゃんは私がすごい表情をしているのに気づいて手を握ってくれました。



「あーちゃん」


「ちゃんと話聞くから思ったこと言ってみて?」


「わかった。私ね、あーちゃんのことが本当に大切なの」


「うん」


「誰にも取られたくないくらい大切で、それで……」


「いちごっ、危ないっ!」


「あーちゃん !?」



 告白を口にしようとした瞬間私たちの上に大きな光が降ってきました。多分雷だったと思います。雨も降っていないのに何でなのか分からないけど避けられるスピードでもなく気づいたらあーちゃんに抱きしめられてそこで意識が途絶えたのでどうなったのか分かりませんでした。私たちはもう生きていないのかもしれません。






「あーちゃん ?どこにいるの?」


「ん……いちご」


「良かった。あーちゃん側に居て」


「ここどこだろうね?」


『ここは時空の(はざま)です。手違いがあって貴女たちを巻き込んでしまいました。』


「あなたは誰なんですか?」


『ワタシは神様です』


「神様?かなり怪しいけど」


『滅多に人の前に姿を現すことはありませんから不思議に思うのも無理はありません。こちらの事情で貴女たちを巻き込んでしまったのでこれから新しい人生を送ってもらおうと思います』


「それってどういうことですか?」


「元の世界に戻れないってこと?」


『はい。貴女たちはすでに元の世界(ニホン)では亡くなっていることになってしまっています。なので元に戻すことは不可能です。新しい命としてならまだやり直せるのでやりたいことも出来ると思いますよ』


「そんな……」


「いちご、泣かないで」


『同じ国に行けるように配慮はしましょう。ただ身分の違いがあってもそればかりは神様でも変えられないので自分たちでどうにかしてまた知り合うように頑張ってください』


「難しいこと言うね、神様」


「あーちゃんにまた会えるかな?」


「絶対見つけるから待ってて」


「私もあーちゃん探す」


『ヒントとなるものはちゃんと用意しましょう。元々あった癖や特徴などはそのままにします。貴女たちしか分からないようなことですが、きっと見つけられるでしょう。もう時間がありません。貴女たちの魂をある国に送ります。次の人生では祝福がたくさんありますように』


「いちご!」


「あーちゃん!またね」


「絶対会おう」





 神様との会話の後私とあーちゃんはどこかに旅立つことになった。本当に会えるかどうかまだわからないけど、今度会った時には絶対告白をするんだって心に思いながら私は重たい瞼を閉じることにした。

異世界もので百合のお話をついに書き始めました。マイペースに更新する予定です。よろしくお願いします。

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