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板胸(ぜっぺき)男装の公爵令嬢  作者: 青柳蒼枝(あおやぎそうし)
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王太子の婚約者?! どうしてどうなった!!

 女の子からモテモテ、男子からは尊敬されまくる。

 そんな一風変わった令嬢モノです。

 恋愛要素? え、それ何、美味しいの?

 逞しい公爵令嬢、リグレットの物語をお楽しみください。

 リスト皇国、ヒステリア王立学院卒業式。

 学院イチ広さを誇る講堂でその騒ぎは起こった。

 卒業を祝うためにドレスや燕尾服で着飾った卒業生や、関係者達が集う中、突然に声が響き渡る。

「リグレット・ワーグナー公爵令嬢。本日をもってアルバ王太子殿下との婚約を破棄とする。新たな婚約者として、マリア・ワーグナー公爵令嬢を指名する。なお、これは王命である!」

 婚約破棄、新たな婚約者の指名、王命。言葉の連続に一瞬、全ての声と出席者の息が止まった。

 カツカツとブーツの音を響かせて王家の使者の前に一人の背の高い女性が進み出た。

 真っ黒な長いストレートの髪を高く一つに束ねて垂らし、紫水晶のように澄んだ瞳は真っ直ぐに使者を見つめた。纏った服は黒紫を基調にした絹の男性物の軍服のようなデザイン。左胸には金糸で獅子の家紋が刺繍されている。

 どう見ても男装であるが、彼女にはドレスよりも遙かに美しく華やかに映える。

「リグレット・ワーグナー。ヒステリア王家の王命、拝命いたします」

 そう言って左胸に手を当てると、使者の前に膝を付いた。

「お姉様……」

 リグレットの後ろで真っ青になって震えている緩やかに巻いたピンクブロンドの髪とブルーの瞳の美しくも可愛らしい女の子。その子こそ王命によって指名された新たな王太子の婚約者、マリア・ワーグナーである。

「そんな、まさか……」

「殿下とリグレット様の仲の良さは学院内の生徒皆が知っているというのに……」

「しかもリグレット様は陛下は元より女王陛下にも気に入られていて、先日も王城のお茶会に招かれたばかりのはず……」

「マリア嬢、こちらへ」

 王太子であり、学院の元卒業生でもある王太子アルバが、マリアに向かって手を伸ばした。



    ****************



 リスト皇国。神がこの天と地を創造した時から続く約5,000年以上の歴史のある国。

 そのリスト皇国を治めているのがヒステリア王家で、現在の国王は42代目に当たる。

 王家の上にあるのが皇家。リスト皇国創造建国神の血を引く子孫で、政には一切関与せず、日々皇国の繁栄と安泰。五穀豊穣を始祖神である神に祈る事を主とし、王国に治世を命じる重き役目を持っていた。

 治政を任された王家は皇家に倒し、正しい政と国の平安を誓う。皇家は神の子孫であり、絶対唯一の天地創造神から続く一族。王家、貴族、庶民全てが尊敬し崇める特別な存在だ。

 そしてこのヒステリア王家は先の歴史で皇国内全てで戦乱が起き、最後は2大強豪族集団の戦いで勝ち残り、皇家から王家として治政を任された家だ。

 王家の下には王家の親族、もしくは王家から降下した王族のみで作られた7大公爵という血族貴族があるが、公爵家は治世には関与出来ない。これは王族内の無意味に継承権争いに担ぎ出されないようにしようという、初代国王の法によるものなのだ。政治的権力は無いか、王家との血縁と公爵のみに与えられた特別な職種によって、王国中枢内でどれだけ権力を持とうが、命令を下せるのは国王のみという絶対爵位でもある。

 他の貴族の爵位は、ヒステリア家が勝者となった戦での貢献度で配されているが、中には先の戦で武功を上げた者だけで賜った、領地を持てない「名ばかり男爵」という最下位の貴族もいる。


 


 リスト皇国は皇家を除き、殆どの国民は大なり小なりの魔力を持って産まれて来る。

 ここは、神と魔法の混在した特別な国なのである………。

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