第16話『神界最高幹部会!!~レジアス遂に動く~』
「―以上のことから、詳細は不明ながらも、
神王大帝になることで得られる力は非常に強大な――」
「はい、母さん、あーん」
「あーん♪んー、おいしぃー♪」
「…」
ごめんジョウ、何か報告してくれているようだけど、
ほとんどの言葉が耳に入ってこないよ。
僕の目の前で展開されている光景は、
カオス以外の何物でもない光景だった。
「ちょっとそこ!!今会議中ですから!!
あまりいちゃつかないでくれませんか!?」
会議が長引いて小腹が空いたときに食べる、
フルーツなどをさっきから食べさせあっている僕の両親。
「えぇーいいじゃないか」
「少しぐらい良いじゃない」
「良くないし、少しでもありません!!」
「―ですからして、今後とも調査を――」
「ジョウも報告1回止め!!」
周りのことなど全く気にせず淡々と報告を続けるジョウ。
「…」
「何か喋ったらどうなんですか!クロエ!!」
何も喋らずにただ座っているだけのクロエ。
カオスもいい所だった。
まぁ、これが神界最高幹部会ではいつもの様子なのだ。
というか、何時もより騒がしくなったほどだ。
第6位以下の神が殺されたせいで、暗くなるとかは無い。
殺された神は全員、自分が強大な力を持っていることを利用して、
力の無い者を虐げる、悪党もいいところだったのだ。
「とにかく!皆さん静かにしてください!!」
僕がそう言って会議を仕切りなおそうとしたとき、
『ゾクッ』
「っ!?」
僕の背筋に悪寒が走った。
僕自身に向けられた殺気ではない、これは
「レジアス!」
そう、レジアスが動いた証拠。
「っ!、瀬名!」
僕はあの、キングトリックスパイダー襲撃事件(命名僕)から、
瀬名たち8人に、普段は不可視の式神を護衛につけていたのだ。
そして今、殺気を受けたのは瀬名の護衛につけた式神。
つまりは、瀬名が襲われていると言うことだった。
「おいおい、どうした、いきなり大きな声を出して」
父さんが心配そうに聞いてくるが、今はそれ所ではない。
「すいません、急用が出来ました。
僕はこのあたりで帰らせていただきます」
そう言って、転移しようとしたものの、
「っ!転移できない!?」
「何?っ!これは、神王大帝め、やってくれる。
この神王城に転移妨害の術式がかけられてる。
神王城から出ない限り、転移は不可能だな」
ちょっとまずい状態になってきた。
力で空間を無理矢理捻じ曲げれば転移も可能だが、
それだとあからさまに反旗を翻すことになる。
さすがに、それはまだ避けたい。
となると、
「走るしかないようですね」
神王城から走って出るしかないようだ。
まぁ、瀬名の護衛につけている式神もやわじゃない。
僕が行くまでぐらい余裕で持ちこたえてくれるだろう。
「それでは、僕はこれで」
『ドンッ!』
僕はそう言うと同時に、床を力強く蹴って、
会議を行っていた一室から出る。
後ろから、クロエ以外の声が聞こえてきたが、
今は気にしている暇など無い。それに、恐らく挨拶だろう。
そして、そのまま端が見えない廊下を出口に向かって、
疾走を開始する。
しかし、1つ気がかりがあるとすれば…
「神王大帝により与えられる力ですか…」
龍族だけの力ならどうって事無い。
しかし、神王大帝によって与えられる力が、
僕の予想をはるかに超えるほど大きなものなら。
「くっ、考えてもしかたない、今は急ぎましょう」
言葉とは裏腹に、普段の桔梗からは考えられないほど、
不安を含んだその声は、
誰にも聞かれること無く、闇へと溶けていった。
さて、どうだったでしょうか?
3連休なのに一回しか更新できず申し訳ありません。
次の更新は出来るだけ早くできるよう努力します。
さて、なんか不穏な気配ですが、まぁ心配はいりません。
少々ピンチにはなるかもしれませんが。
あ、これってネタばれですね。すいません。
最後に、感想お待ちしております。
それでは、また次回。
お会いしましょう。
次回予告!!
とても重要なお知らせがあります。
お読みください。