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第12話『さぁ、導入は終了だ!!』

「すげぇ…」


「「「「「すごい…」」」」」


正人と美羽以外の女性陣は瞬粋な驚きの声を。


「桔梗の本当の姿を見るのは久しぶりね」


美羽は懐かしむように目を細めて桔梗を見る。


吹き荒れる魔力の奔流の中心に桔梗は立っていた。


顔には何時もどおりの微笑を浮かべ、あくまで自然体である。


しかし、何時もとは違う所も何箇所かあった。


まずは髪の色。


前髪は橙色、後は蒼色に。


目の色も、橙色と蒼色になっていた。


これこそが、能力を完全に開放した、桔梗の真の姿である。


少し話がずれるが、神には大抵の仕切りは機能しない。


仕切りとはいわゆる、次元や空間といったものである。


神はひとつの世界だけなら多くても数百万といった所だが、


この次元や空間を関係なくすると、存在する神の数は、


数え切れないほどの数に急増する。


そして、桔梗もこの神々の一角な訳だ。


此処からがこの話をした理由であるが、


神々にも身分と言うものが存在する。


この神々の身分は完全に実力主義で決められる。


様々な観点から神の実力を測り、身分を決定するのだ。


そして、次元、空間など、ありとあらゆる境界関係なく、


存在する全ての神々の頂点に立つ存在が『神王大帝しんおうたいてい』である。


全ての神々を寄せ付けぬ圧倒的な実力を持っているとされる、


全ての神々の最高位である。


この真の姿の桔梗は、現神王大帝さえも超える力を持っている。


しかし、普段は能力を封印していること。


まだ16歳と言う若さだということを考慮した結果、


神王大帝の次の地位にあたる、


12人の幹部会の筆頭に名を連ねている。


まぁ、つまりは、桔梗は凄いと言いたかっただけである。


さらにどうでもいいが、現在この幹部会は空席が目立っている。


理由は不明だが、何者かに暗殺されたとか何とか。


桔梗は気にも留めていないが、幹部クラスの神を殺せるとなれば、


やべぇ実力者である。


さて、話を戻そう。


この圧倒的な桔梗の力に反応して、


桔梗のリニスである神龍凰もその姿を変えていた。


普段は全体的に黒を基調としているのに対し、


今は柄は黒と白、刀身は蒼と紅の二色で構成されていた。


さらに、所々に金や銀色の装飾も現れ装飾品といわれても


納得出来るほどの見た目の良さである。


まぁ、勿論強度も斬れ味も普段の数倍いいのだが。


そして、大きさも一回りほど大きくなっていた。


この巨大で華美な神龍凰を携えた真の姿の桔梗は、


まさに、息を呑むほどの美しさだった。


黄金の魔力の風が吹き荒ぶ中、


微笑を浮かべて余裕で立っているその姿は、


どんな芸術品も霞んでしまうほどの美しさを持っていた。


しかし、美しさだけでなくどんなものの居住まいも正してしまいそうな、


不思議な威圧感も持ち合わせていた。


そして、その長身が静かに歩を進める。


それと同時に、キングトリックスパイダーが後ろに下がる。


明らかに、桔梗に怯えていた。


それを見て、桔梗は静かに告げる。


「今頃恐れをなしましたか。しかし、もう遅い」


刹那、魔力の風がやみ、桔梗の姿が消える。


『ヒュン』


風の音が消え、静寂が満ちた中に小さく響く1つの風切り音


「僕の友達に手を出した時点で、運命は決まったのですよ」


再び響く、桔梗の声。


その姿は、いつの間にかキングトリックスパイダーの背後にあった。


「あなたの死と言う形でね」


次の瞬間、音も無くキングトリックスパイダーの体が消え去った。


「「「「「「なっ」」」」」」


驚きの声を上げる正人たち。


「桔梗の真の姿での斬撃。あれを受けて、


消え去らなかったものを見たことが無いわね」


少々冷や汗を流しながら苦笑する美羽。


「一件落着ですね♪」


何時もどおり微笑しながら能力を封印し、


神龍凰を待機形態に戻す桔梗。


桔梗が神龍凰を封印すると同時に、


正人たちは桔梗に一斉に飛びついた。


いや、勿論実際に飛びついたわけは無く、比喩だが。


「すげぇな、桔梗!!あれがお前の本当の力か!!」


「さすが桔梗!!すごーい!!」


「やっぱり、桔梗君はすごいね♪」


「本当に桔梗は強いわね!」


「さっすが、世界最強の龍神帝」


「すごいです、桔梗さん!」


その後ろには、崩れた学院長室の一角を見ながら、苦笑する美羽。


「一件落着じゃないわよ、この惨状どうするの?」


「ちょ、皆落ち着いてください!」


そこには、何時もどおり桔梗を中心とした、


楽しい光景が広がっているかのように見えた。




いきなりだが、場所は変わって神々の住む天上の世界、


神界しんかい』の中心部にある巨大な城、『神王城しんおうじょう


その城にある一室、『謁見の間』。


そこに、玉座に座る大男を中心として、数十人が集まっていた。


「申し訳ありません。神王大帝様。幹部会筆頭、


十六夜桔梗の殺害に失敗したようです」


その中の一人の男が、頭を垂れながら、


玉座に座る男に報告する。


「よい、元々あんなもので桔梗は殺せぬ。


今回の殺害は、桔梗の親友と思しきものを


殺害するのが目的だったのが、それも失敗したようだな。


まぁ、いざとなれば我が動く。


いくら桔梗とて、神王大帝になることで得られる力が、


どれ程のものかは知らぬだろう、


我が力が昔と同じだと思っていればよい」


そう、この大男が現神王大帝である。


そして、その周りにいるもののはただ1人を除いて、


全てが邪な道に身を落とした神、すなわち邪神。


幹部達を暗殺しているのはほかの誰でもない、


この神王大帝と、神王大帝に力を与えられた邪神なのである。


神王大帝の目的は、幹部達を皆殺しにし、


神全てを自分の意のままに操ることなのだ。


「それに、幹部会の内通者でもあり、


我が最強の頭脳もおることだしな」


そう言って、1番近くに控える男に目を落とす。


その男は恭しく低頭した。


この男が唯一邪神ではなく、正当な神である。


「まぁ、桔梗に我らのことを悟られる前に叩き潰せ、よいな?」


『はっ!全ては神王大帝様の仰せのままに!!』


その言葉を最後に、謁見の間から神王大帝以外の神は、


一瞬にして姿を消した。


『カツン、コツン』


明るく照らし出された歩廊を1人の男が歩く。


その男は先程、謁見の間にいた唯一邪神ではなかった神である。


男の顔には、先程の恭しい表情は微塵も無く、


不適な笑みが広がっていた。


そして、低く、男らしい声がその口から発せられる。


「神王大帝。お前は二つほど誤算をしている。


一つ目は、あの方は既に全てを見通しておられる。


二つ目は、私はお前などのために働く気は無い。


私の主は十六夜桔梗様ただ1人。


さぁ、桔梗様は既に動き出しておられる。


お前が我が主にどこまで付いて来られるか、楽しみだ」


若干笑いを含んだその声は、誰に聞かれるでもなく、


空に溶けて消えていった。


そう、今桔梗以外の誰も気付かぬ所で事態は動き始める。


いや、後2人ほど気付いているものがいるようだ。


「桔梗がどう出るのか、楽しみだわー」


「親として、桔梗の成長を見守ってあげようじゃないか」


「そうね♪」


「ああ」


恐らく、僕の親も気付いているころでしょうねぇ。


さて、まずは神王大帝のスパイ、龍族のレジアス君からですかね。


これは世間から見ると僕の反逆でしょうかね?


ならば、


期せずして、桔梗以外の3人の声も重なる。


『真の導入プロローグは終了、さぁ、神の反逆を始めよう』


今、事態は全てのものを巻き込んで、動き始める!!













さて、どうだったでしょうか?

まじで更新遅くなりましたね…

ちょっと、ゲームに一日ほどはまってしまいまして。

申し訳ありませんでした。

それにしても、知らぬ間に感想を三つもいただきました!!

本当に嬉しかったですね。

涙が出るほどでした。(いや、冗談じゃ無くマジで)

まぁ、泣きはしませんでしたが、本当に出そうでした。

次も感想お待ちしております!!

それではまた次回、

お会いしましょう。



次回予告!!

反逆の狼煙は上げたけど、

別にすることは変わらない!

桔梗たちの日常をどうぞ!!

お楽しみに!!


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