健全な精神は健全な肉体に宿ると言いますが……
よく、『健全な精神は健全な肉体に宿る』と聞きますが、果たしてそれは正しいのでしょうか。
ご自身でおググりになられれば分かることではありますが、多くはこれを誤用だの誤訳だのと指摘し、小難しく解説しています。ですが、少し考えてみてください。
あなたはご友人と話にお花を咲かせています。百花繚乱です。
そこでよく、『健全な精神は健全な肉体に宿る』よねー、なんて会話が生まれますよね。
ここであなたは「まずい。それは正しくないんだよ。指摘しなきゃ」と思うわけです。
しかし! ここでいきなり解説をおっ始めるのはナンセンスですよ。
興がさめてしまいます。
友達が、間違った道に進もうとしている! でも、ここで語りだすわけにはいかない。何とかして、面白おかしく、しかしちゃんと指摘できる方法があれば――
あるんです。それこそが、新たに提案する指摘方法でございます。
それを今からご説明いたしましょう。
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『健全な精神は健全な肉体に宿る』
これが正しいかどうかを調べていきます。
命題が正しいかどうかを判定する便利な方法がありますよね。
そう! みんな大好き《対偶》です!
早速やっていきましょう。
『健全な精神』⇒『健全な肉体』
対偶をとると……
『健全でない肉体』⇒『健全でない精神』
ふむ。おかしな話です。
これが正しいのなら、『身体に障がいや故障がある』者は、『健全でない精神』であるということになりますからね。馬鹿げています。言語道断です。
それに今の時代、「障がい者は皆、精神異常者だぁ~」なんて言おうものなら、特定班の皆様方が黙っちゃいないですからね。おぉ怖ぇ。
したがって、対偶が正しくない(偽)となったことにより、命題である『健全な精神は健全な肉体に宿る』は正しくないと分かりました。 【キュー.イー.ディー】
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どうですかね。良いと思いませんか。
少し考えてみましょう。
友人「いや~、『健全な精神は健全な肉体に宿る』ってよく言うよね~。」
貴方「いや、ちょっと待って! それはあまりにも浅慮だとは思わないかい? ここは慎重に、コンセンサスを得ようじゃないか。さあ、みんなで一緒に対偶を――」
……人を選びそうですね。実践するときは、どうぞ人選ミスが無きように。あなたの生活にボッチくんがこんにちはしてしまうかも知れません。くれぐれもご自愛ください。
※対偶とは
「〇〇なら△△」といったものを【命題】と呼びます。
その命題が正しいことを【真】、正しくないことを【偽】といいます。
ここで、
「〇ならば△」をひっくり返すと「〇でないなら△でない」
「〇ならば△」を逆にすると「△ならば〇」
とします。
対偶とは、命題をひっくり返して逆にしたものです。
よって、「〇ならば△」の対偶は「△でないなら〇でない」になります。←ここ重要
ちなみに、《命題の真偽と対偶の真偽は必ず一致する》ので、「〇ならば△」を証明するときに「△でないなら〇でない」を証明しても、大丈夫なのです。