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地下鉄防衛戦  作者: 睦月
第壱章・この先君と
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第八話 目論見

 目をこすりながらトイレに向かう。寝ている人もいるので電気を付けられず、手探りで人を踏まないように歩いていく。


 扉一枚の向こう側からは謎の生物のうめき声。

 稀に小さく人間のような悲鳴が聞こえてくるのが嫌だった。


 少し心配だったが、トイレの電気はつくし、水もしっかりと流れる。


 電気もついていて、個室なので謎の生物にも誰にも邪魔されない。晃は一人で少し考え事をしていた。


「……なにがどうなってるんだ」


 晃は頭の中で今分かっている理解できないこと、つまり謎を整理してみた。


・突然閉まった出入り口のシャッター

・鍵を使っても開かない非常口の扉

・突然の爆発音

・爆発音の直後に現れた謎の生物

・謎の生物に喰われると謎の生物になる


「コンピューターの誤作動……? それならさすがにもう治ってると思うけど……。非常口だって、鍵を間違うなんて事はないだろうし。というか、一番の問題はあの謎の生物だ。爆発音がしてからいきなり現れ、人を襲う……」

 晃は口に手をあてて考えている。


「……個人的な謎としては駅員の対応。やろうと思えば駅内放送などで避難を呼びかけるなど出来る。電気の問題はたった今こうして普通についているから問題ないはず……」


 長い独り言が続いた。

「そもそも、交通に影響はないのか? 出入り口のシャッターも非常口も閉まっているということは、僕たちが外に出られないのは勿論、外側からもこの如月駅には入ってこれない。意外とこの駅は利用者が多いから、大きなニュースとかにはなってないのかな? 」


 晃はハッとした。らしくもない事を長々と考えていて、寝ぼけているのか? と思いながら休憩室へ戻る。トイレに入る前よりも眠気が増していた。


「……」


「ん? なんか聞こえた? 」

「……どうすんの? 」

「丈弥さんの声? 」

 晃は反射的に身を隠した。

「本当にそれでいいの? 」

「別にいいだろ。あいつらがどうなろうと俺らには関係ない」

「このぼくねんじん~! 」

「どうとでも言え」

「落ち着けお前ら。とりあえず今はこの作戦に着手するんだ」

「まぁ、永介がそういうならね。誰だって自分が一番可愛いし大事だからね~」

「いつやるんだ? この作戦は」

「……今日で良いか?」

「今日? 」

「一刻も早く脱出の糸口をつかみたいからな」


 なんの話だろう? 

 晃は話の続きが気になったが、眠気に負けその場で眠ってしまった。




「……ぉぃ」

 

 声のようなものが聞こえた気がする…。


「おーーーーい!!!! 」

「ぎゃぁぁぁ! 」

「あ、起きた」


 晃は声に驚き飛び起きた。綺と美香子が晃のそばで立っていた。


「あ、そっか。僕駅で寝てたのか。家かと思って一瞬吃驚したよ」

「っていうか晃、なんであんたこんなところで寝てるの? 休憩室の入口だよ」


 綺が少し笑いながら言う。


「そういえばなんでだろ。夜トイレにいってちょっと長く入ってたら眠くなっちゃって、帰ってくる途中に……」

「ちょっと長く入ってた? 」


 晃は口を押えた。

『トイレの中に籠って馬鹿馬鹿しい推理してたなんて言ったら馬鹿にされるだろうなぁ……』

 

「もしかして、大のほうしてた? 」


 晃は一瞬ポカーンとしていた。

「そ、そうだよ! 急にしたくなっちゃって~」


 笑いが響く。


「そういえば永介さんたちは? ゆなちゃんも」

 見当たらない永介、丈弥、怜、ゆなが気になった。

 それに対して、美香子が答える。



「それがね~、朝起きたら四人ともいなかったのよ~」

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