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地下鉄防衛戦  作者: 睦月
第壱章・この先君と
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第四話 新たな仲間

ちょっとした出来事が過ぎ、綺と晃は少し疲れてその場で休憩していた。

「あの、晃さん」

「だから敬語使わなくていいって。こっちがなんか嫌になるし」


 この人は人見知りというのを知らないのか?


「そ、そんなこと言ったってすぐに言うのは難しいよ! 」

「言えてるじゃん。ていうかさっきも僕のこと呼び捨てで呼んでたじゃん」


 そういえばさっき、あまりにもパニックになってたせいか晃のことを綺は無意識に呼び捨てで呼んでいた。綺の顔が少し青ざめた。いくらこんな状況とはいえ、ほぼ初対面の人で学校内においての先輩に対して呼び捨てで呼んでしまったことに対して改めて人見知りが発動し、なんだこいつだの思われていないかなど次々とネガティブな想像が頭の中へと流れ込んできた。


「もしかして、無意識? 」

 図星だった。

「ご、ごめんなさい! 」

 綺は深々と頭を下げた。今にも泣きだしそうになった。嫌われたかな?怒られる。そんな考えが頭の中に充満していた。


「いやいや、なんであやまってんの? 別に気にしてないよ? 敬語じゃなくていいって言ったのはこっちだし」

「ふぇ? 」

 変な声が漏れた。泣き出しそうになっていたが、結局極度の安心感のせいで涙腺がゆるみ、ボロボロと大粒の涙が零れ落ちた。晃は綺がいきなり泣き出したせいで動揺している。


「うおっ! いきなりどうした! えっと、ハンカチ入ってたっけ……」

 晃はズボンや着ていたウィンドブレーカーのポッケに手を突っ込んだ。

「なんでもありま……ないよ。ティッシュ持ってるから……」

 思わずタメ口になおした。それを聞いた晃は少し笑っていた。


「まずは他の人をさがそう」


 晃の提案で如月駅の中を歩き回った。歩いている間、無言なのもあれだからと色々な会話をしていた。

「綺って中一って言ってたよね。どこ中? 」

伊佐貫(いさぬき)中学校だよ。」

 ちょっとずつタメ口にも慣れてきた。 

「伊佐貫中!? 今日試合した中学校だ! あそこ強いんだよなー」

「バット、伊佐貫中との試合……もしかして晃って野球部? 」

「そうだよ。いやーしかし、うちの比奈(ひな)中学校も強いはずなんだけどなー」

「比奈中学校って野球部が強いとこじゃん。クラスの野球部が言ってたよ」

「だけど今日負けちゃったんだよ。そっちの中学校に」

「えぇ……なんかゴメン」

「いや、今回はこっちの練習不足だっただけだから。次の試合の時は勝つ! 」

「頑張ってね」

「ま、その前にまずはここから出ないとね」


 そういわれて、改めて今自分がここに閉じ込められていることを感じた。そんな時に


「うりゃぁ!! 」


誰かの声が聞こえた。


「行ってみよう」

 晃と綺は声のする方へ向かった。かけつけてみるとそこにはどこからもってきたのか分からない鉄のパイプを振りかざし、謎の生物を撃退している男三人組がいた。謎の生物の死骸の下に女性と思われる人の無残な死体があった。腹が食い破られているだけで、顔がはっきりと確認できたのが痛々しかった。男たちはその肉片にもパイプを振りかざした。恐らく謎の生物にならないようにするためであろう。そして男たちはひと段落したあと、こっちに気が付いて声をかけてきた。


「おーい、そっちにいたら食われるぞー」

 

 後ろから聞こえるうめき声、それに怯えた綺と晃はそそくさと男たちのところへ向かった。

「いやぁ他に無事な奴がいて安心したぜ」

「そうだな。どうせなら仲間にしねぇか? 」

「それ、いいね。女の子もいるし! 」

「おいおい下心丸見えだぞ今の状況考えろ」

「サーセン(笑)」

 男三人で盛り上がっている中、どうすればいいのか分かんなかったとき、男の一人が話しかけてきた。


「どうだ? ここから脱出するまで俺達と行動しないか? 」


 そういえば、晃もこんなこと言ってきた気がする。


「僕はいいと思うけど。綺は? 」

 こっちを向いて言ってきた。

 少しでも生存率があがるというのならと、綺はコクンと頷いた。


「うっしゃ! 女の子ゲット! 」

「この変態」

 男が頭を叩いた。

 男三人と晃、綺の五人はひとまず安全なところへとと、駅内のコンビニエンスストアの従業員部屋へと勝手に入った。 

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