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地下鉄防衛戦  作者: 睦月
第壱章・この先君と
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第一話 帰り道

『次は、如月駅、如月駅でございます。如月駅の次は…』

 遊び疲れて席でうとうとしていた時に、地下鉄の車内アナウンスで目が覚めた。


「もう着いたのか……」

 彼女の名前は蘇我見 綺(そがみ あや)、中学一年生。今日は中学校の違う同小の友達と遊びに行っていた。

 久しぶりに会った友達は小学校の時と全く変わってなく、楽しく話したり遊んだりした。


 地下鉄がホームに着いたので降りた。少し長い時間電車に乗っていたので、自動販売機でサイダーを購入した。

飲んでみると乾いた喉に炭酸が染みてとても美味しかった。

あまりのおいしさに、もう一本余分に買ってしまった。もう一本はすぐには飲まず、帰り道で歩きながら飲もうと考えた。


 交通系電子マネーを改札にかざし、駅を出ようと階段を上っていると、出口のシャッターが閉まり出口が封鎖された。なにがあったの? 誤作動? と色んな人がざわざわしていたが、綺は「ああー、飲み物が冷えちゃうー」と、呑気なことを考えていた。別の出口へ向かっていると、駅内アナウンスが入った。


『みなさまにご連絡いたします。只今コンピューターの誤作動で、北口、南口、東口、西口の全ての出入り口が封鎖されてしまいました。原因は調査中です。これより非常口の方を開放致しますので、駅員の指示に従い、安全に外へ出てください。ご利用していただいているお客様に多大なるご迷惑をおかけいたしまして、誠に申し訳ありません。繰り返します。みなさまに……』


 一瞬混乱していたが、落ち着きをだんだん取り戻してきた人たちは、駅員に導かれるまま外に出る…はずだった。


「あ、あれ? 開かない」


 後ろには外に出るのを今か今かと待ちわびている人々。駅員の男性は開かない非常口の扉を不思議に思いながら、援護を呼んだ。どの鍵を試しても、どれだけの駅員が扉を押したりひっぱたりしても、扉はビクともしない。待ち時間が長く、不満が募ってきた利用者たちからは、徐々にブーイングがきた。


 そんな時、どこからか巨大な爆発音が聞こえた。

 

駅員、利用者が一斉に爆発音がした方向を向く。その方向から、何かが近づいてくる。ボロボロの服、少し溶けたようなどぶ色の肌。それは明らかに人間ではなかった。


「えーっと……お客様、ですか? 今の爆発音は……」

 その瞬間、人間ではないその何かが、話しはけてきた駅員にタックルした。

 あまりの不意打ちに駅員は仰向けに倒れた。そして、その駅員の上にそいつがのしかかった。その瞬間、

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!! 」

 そいつは駅員の腹に噛みつき、その肉を貪り食っていた。

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