17/60
■■■■■■の手記
載せ忘れていたのだ
今回は生き残った。けれど、まだまだ安心はできない。
槍が折れた時は肝が冷えた。けれど、無事に勝った。
槍が折れる事は、そうある事ではないけれど、確率的に全くない訳でもない。
ああ、でも、本当に良かった。第一関門は突破が容易だ。けれど、たまに突破できない。天運が傾かないからか、修練不足か、いつだってそのどちらかだった。
しかして、今回は違う。負けると思ったところに介入があった。
いつもは無かった事だから。
今回は何かが違う。そう思う。
今回もいつも通り。そう思う。
いつだって期待と不安が入り混じる。心臓が締め付けられる。本当に、いつだって心臓が止まってしまいそうな程気が気じゃない。
死なないで、死なないで、死なないで。
心底から願う。何も出来ないのがもどかしい。
自らに科した禁則事項が縛る。
けれど、こうしなければいけない。そうでなくては意味が無い。
さぁ、頑張って。さぁ、進んで。さぁ、生きて。さぁ、戦って。あなたの生を見せて。
最後の最後、運命のあの日を乗り越える事が出来たのなら、あなたを、わたしは……。