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男声の令嬢  作者: もりもり
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つたない文章ですが、よろしくお願いします。

シルアニア王国の公爵家の一つ、ライザード家の次男として生まれたマイク・ライザードには秘密があった。マイクは男として世間に知られているが、実のところ体は女なのだ。声以外。声は十二の頃母親の雇った医者によって声帯をいじられ、男のようになった。その頃からマイクの姉は不審がっていた。急に声の変わった弟に疑問を持った彼女は母親と彼いや彼女の真実の会話を聞き、母親を殺した。そのおかげでマイクは声以外変えられることなく現在十六歳になった。


その日もマイクは朝の光とともに目を覚ました。そして服を着替えるために寝着を脱ぐ。すると女性であることを表す胸が現れた。それを、さらしで潰す。その次に男物の服を取り出し着た。服を着た彼女は部屋を出た。向かう先は姉のいる塔である。姉は母を殺してから父にそこに閉じ込められていた。世間では母は事故死ということになっているが、貴族社会で姉が母を殺したことは噂程度に広まっている。その為、人の目に触れられないよう療養というのは名目で塔に幽閉されている。

「あら、今日は早いのね。おはようマイク」

そう、姉は読んでいた本を置いて彼に話しかけた。姉は今の待遇を悲観してはいなかった。いつもマイクの事を思い、彼女が胸の成長で戸惑っている時もそれを感じ取ったのかさらしをプレゼントしてくれた。マイクは自分で用意する事が困難だったので、とても助かった。マイクは姉が好きだった。自分が女である事を知っており、そしてこんなに声が低いのに、女言葉で話すのを気持ち悪がらなかったからだ。また自分の体を守ってくれたのだから。しかしそんな姉に今日は悲しい事を言わなければならなかった。

「姉様、おはようございます。私、今日から兵役でこの家から離れなければいけないのです。なので挨拶に参りました。」

それを聞くと、姉は目を見開いた。当然だろう。今の今までそんな話を彼女に一度も話していなかったのだから。姉はわなわなと口を動かし、マイクの手を握る。その目は本当なの?大丈夫なの?と言っている。しかし彼女は行かなければいけないのだ。この国は長い間、ある国と戦争をしている。そしてこの国の十六歳の男児は戦争へ向かうことが義務付けられているのだ。マイクは姉の手を握る。

「大丈夫です。必ず生きぬいてみせます。」

「ええ、絶対よ。」

姉もマイクの手を握り返した。


姉はマイクが部屋を出て行った後、人知れず泣いた。そして過去の出来事を思い出していた。

姉である彼女の名は、リザラ・ライザードという。リザラとマイクは五歳差の兄弟だった。リザラも最初はマイクが女だとは知らなかった。マイクは活発な子だった事もあり、まさに少年というような子だった。しかし虫が苦手だとか、ところどころ女の子のような所を見せたりしていたのだが、その時は「男の子でしょ。そんなものに怖がっててどうするの。」と彼女はふざけ半分でマイクに告げた。そのたびにマイクは少し悲しそうな顔をして、そしてすぐにふてくされたような顔をして「ふんっ!」とひねくれた真似をした。今思えば、彼女は少し傷ついていたのだろう。本当は女の子なんだと、あの一瞬の悲しそうな顔が告げていたのではないかと思えた。マイクが本当に男か。声変りを急に終えたマイクを見たときはそうとは考えていなかった。しかし、リザラはマイクの首に巻かれた包帯に違和感を持ったのだ。そして母とマイクの後をつけ、そこで聞いた彼らの秘密を知った時、彼女は母を恐ろしいと思った。父の愛人に負けたくないというプライドもここまでいくと狂っていると彼女は感じた。このまま母を生かしては置けない。このままでは本当にマイクは男にされてしまう。そう思った彼女は無意識にそばにあった花瓶をつかんでいた。母は弟いや妹にしか気が回っていないので、気づいていない。そして妹も恐ろしい母にしか目が行ってないので、彼女に気付かなかった。彼女が手を挙げる事を後押しした言葉は母が発したものだった。

「あなたは完ぺきな男の子になるの。そうすればみんな幸せになれるのよ。うれしいでしょ?」


気づいた時には、彼女の回りは血の海であった。それは彼女の母のもであった。マイクは茫然としていた。大きな音を聞きつけた家令たちがやってきた。そして彼女はあれよあれよという間に塔に閉じ込められた。

それを思い出したリザラは泣きながらつぶやいた。

「兵隊に入る事になるなら、完璧な男の子にしてあげたほうがよかったのでしょうか?お母様。あの子は男としてしか生きられないのなら、いっそその方がよかったのでしょうか?」

でも、あの時の彼女は悲しそうに泣く妹を助けたかっただけなのだ。

お読みいただきありがとうございました。

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