傘のない理由
雨が私の汚れを洗い流してくれる。
シャツもズボンもビシャビシャに濡れて、吸い込んだ水の重さを身体は感じていた。
この水はきっと泥水だ。
私の代わりに汚れた水だ。
この重さはきっと罪の重さだ。
私の汚れで濁った水が、罪の重さを私に教える。
そうしてビシャビシャに濡れることで罪を洗い流し、罪を思い出し、汚れを落とすのだ。
きっと雨が降る日に傘を忘れてしまうのは、どこかで赦されたいと願っているからなのだ。
君はいつも傘を持っていないねと君が言った。
私はいつも綺麗でいたいからねと私は言った。
次はいつ、雨が降るだろう。