王族なんざに産まれてこなければ
閲覧してくださってありがとうございます。スパダリ様には届かないでちょろっと名前の上がった陛下視点でのお話になります。これじゃない感でしたらそっとブラウザバックしてくださいませ
「公爵、てめぇよくも俺の手足(国民)を切り刻もうとしてくれたな?孫娘(魔法師)可愛さに他国に身内(臣民)売るとはな…毒杯仰げよ、孫娘は斬首だ」
王城の地下牢で硬い声音で言い放つ陛下と静かに平伏する公爵を見守る
「・・・・・・」
「チッ、黙りか。先に地獄で待ってろ」
ふてぶてしい笑みを浮かべ公爵は毒杯を仰いだ
「宰相、急ぎ侯爵と将軍に軍を編成させ他国の侵略に備えよ【餓狼】を賊国の討伐に組み込めともな」
「御意」
立ち去る宰相と反対に近衛兵とともに王城の私室へと戻る
《王城の私室にて》
戦支度をしながら王妃(戦友)に告げる
「隣国のヒヒ爺にこの国もお前も渡さねえ。」
「陛下 、背中(籠城)はお任せください。御武運を」
「互いに政略で結婚した身だが本当にオレには勿体ないくらいの良いオンナだ」
…愛してる…
囁きながら王妃の柔らかい瞼に接吻を落とす
振り返らずに 部屋を出ると両肩にかかっている重圧が増す、命の重さに奥歯をくいしばり戦場へ向かう。この身に委ねられた何万もの臣民(命)生かすも殺すも王次第。ならばオレは責務を果たす
自由を謳歌している転生者が羨ましいと妬んだこともある、王族教育に辟易して城を抜け出したこともある(しっかり王の影が付いていたが)そこでオレは人々の美しさも醜さもその命の煌めきが愛しいと思った…護りたいと
…愛してしまえばそれが正義か…
「親愛なる兵士達よ、今我々の祖国は隣国の侵略に曝されようとしている。愛する者の略奪を許すな!
護るべき者の為に共に立ち向かえ!!」
後世の人々は語る、彼が為るべくしてなった王だと。善政を敷きながら他国の侵略を何度も跳ね返したのは彼もまた神の愛する者だったのではと。
ここまでお読みくださってありがとうございます。陛下の地のしゃべり方はヤンキー口調です
、多分。短い話ですが少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。ちなみにこの世界では普通に転生者が暮らしていたりします。