72.会社作ります
治療ポッドはブラックボックス箇所が多い。外部に製造を委託するのは無理がある。パーツ程度の外注は可能だが。メインの組み立てと製造工程の管理は、こちらでやる必要がある。
ということで起業することにしました。株主は俺、美月、山田さん、ウチの鷹泊教授、大学病院の神丘教授。そして、最後に株主に名乗り出てくれたのが最初の患者さんだった山崎達夫さん。山崎さんは結構な財産家なのだけれど、「もう人生終わりだから全財産を寄付しようか」と奥さんと話し合っていたらしい。
実際の製造プラントと人員は、山崎さん所有の会社と工場を吸収して、これを大改造。出資比率は魔法関係者で60%を所有。これで利益のみ配当して製造過程に一般人は口を挟まない体制を確保。教授二人はひとくち株主に近い少株主。残りは山崎さんなので、個人としては最大の大株主。
反対を押し切って、”SNC”という名にしました。この名を師匠に捧げます。ま、これで、異世界を知ってる人にはわかると思うので。そういう意味もあったりします。
製造工場の場所は大学そばの林の中と決まりました。もっと広い場所も川崎の工業地帯にあったんだけど。環境的な問題(周囲が殺風景、空気がとても汚れている、通うのが大変)で、こちらに決定。
小さい町工場をプレハブ工法で急遽囲み、中身は魔法で解体。事務室は別棟のプレハブ。お役所にはプレハブで届けをして、あとは改築という名の立て直しで魔改造する予定。
問題は事務員なんだけど。工場内を見せられないので、それを了解できる人。という条件を出したところ。年配の女性と男性が、それぞれ一人づつ、こちらに移籍してくれました。どちらも、元の会社では定年を迎え嘱託扱いになっていたので問題ない。と言われたので、パソコンの操作を急遽仕込むことにします。でも、今まで使っていたパソコンがかなり旧式だったので、やや難航。
漫画を買いすぎてお金に困ってる様子のエレナにバイトの話を持ちかけて。二人の教育係をやってもらうことにしました。工場の偵察もできそうなので断るまい。と、思っていたら。やはり快諾。
なお、これを機会にダブルのスーツを作りました。「リクルートスーツの社長とか、ないわー」。と、周囲からの声が大きかったので。




