56.鑑定魔道具開発とお社突貫二代目
目付きの悪い留学生が例のお社に気づいた。
最初は遠巻きにしてたんだけど。観察能力が低いのか、それとも自分に自信がありすぎるタイプなのか。魔術で強化と防御をかけて、社に突貫。カウンター食らって入院です。魔法系の攻撃と判断されたため、カウンター効果が倍増。ダメージは魔術による防御を難なく食い破り、内臓と骨が往きました。馬鹿です。
結社の方はどう動くか。トロイの木馬の報告待ち。
警棒ブレード(あいかわらずのネーミングセンスのなさ)は、霊的効果のみに特化したお祓い棒として商品化。形状は幣に変更。これも、国内向けはそこそこ売れて、ウチの商品のラインナップを飾ります。
そうこうしてたら。結社から交代要員が送られてくるという情報が入りました。今度は女の子。天然物の魔女の系譜。これは面白そう。と、山田さんも興味津々。到着を楽しみに待ちます。というか、スパイが来るのを楽しみに待たれている時点でダメダメだと思うのですが。知らないのは幸せ。
留学の裏工作に時間がかかりそうなので。スパイガールの到着はしばらく後。
ということで。棚上げになっていた人工筋肉と解析魔道具の開発に戻ります。解析魔道具そのものは出来てるんだけど、地球の技術に見せかける手間が結構大変。探知部分に術式を刻んだ人工魔石を利用。これを工業的に錬成した人工貴石で、術式に見えるものはレーザーで焼き付けたサーキットです。と偽る方向で進めます。制御系はパペットにも使った人工精霊利用の複合CPU。
表示は脳内イメージだと先進的過ぎるので。網膜投影(HMD)を使用した片眼鏡型にします。動植物実験をシロたちに依頼。これを持って山野を駆け巡ってもらい。分析結果を収集して再調整を繰り返します。工業製品の検査の方は、教授のコネの効く町工場に協力を依頼して検査に使ってもらい。並行して改良型試作品を量産。
試作品の数が揃ったところで、試用試験を兼ねてデータベース構築にかかります。
鑑定のロジックは、ファンタジーの定番として、アカシックレコードにアクセスする、龍脈に接続する、古代のデータベースに接続する。等がありますが。
アカシックレコード(っぽいもの)は実在したものの。断片的なイメージや各種言語が脈絡なく流れて来るだけ。この中から必要な情報だけ拾い出すのは至難の技。予言や神託が意味不明な言葉や詩みたいになる理由に納得です。搭載CPUの能力では、意味のある情報を抜き出すのは無理。という結論になりました。
龍脈のほうは、単なるエネルギーの流れなので、水の流れるような音や、たまーに言葉の断片っぽい音が拾える程度。水力発電所の導管に耳をつけて音を聞く感じ。といえば、わかってもらえるだろうか。
古代のデータベースは、そもそも、存在しなかったので。データベースを自力で構築する必要に迫られました。ネットで検索しただけだと裏付けがとれないので、現場取材は重要です。
なので、大学から主な博物館や美術館、植物園に話を通してもらい。学生にバイト料を払って派遣。モノクルをつけた怪しい集団が都内と神奈川の各所を徘徊して、情報を収集することになりました。医療関係は部外者禁止の場所が多いので、医学部のある大学に協力を求めます。
試作品は見た目とかあまり考えてない無骨デザインなので、ガタイの良い男がつけてると、チョッと怖い。ボーグに襲われる感じもあるなあ。(そういう外見にした犯人の談)
こちらは、美月同伴で、京都と札幌の美術館と博物館、植物園を回ります。飛行機代が確定申告で落とせる。と、気づいたのと。研究ばかりだったのでサービスも兼ねてます。まあ、外見はアベックというより、モノクルをつけた怪しい男女にしか見えない気もしますが。
などと、開発作業を続けていたら。女子留学生が来る。という話が研究室に流れはじめました。はてさて。どうなることか。
ボーグ、TNGに出てくる侵略者。




