53.異世界の基準が鷹揚すぎる件について
結社の名は"東方の夜明け"と言う。魔術名は秘匿するという古来からの慣習から、実際に組織名を使用する際は、主に"ボストーク"というコードネームを名乗る。ロシアや東欧の革命の混乱ではじき出された軍人と魔術師、呪い師のごった煮。伝統を重視する他の結社と違い、電脳戦と現代技術の併用を得意とし、裏世界で優位に立ってきた。
わざわざスパイを送り込んできたのは、こちらも情報処理を専門とし、おまけに魔術にも通じている。という、自分達と同等、もしくは上位互換と危惧したためだ。うまく行けば仲間に、交渉決裂なら抹殺。という指令を受けていた。
はい。敵対決定ですね。殺すつもりで来たのなら、自らが殺される覚悟もあるのであろうな?ならば、こちらも相応の対応を。と思ったのだが、またも秘書から止められた。現地住民のやんちゃレベルの驚異なので、寛容な措置を。と言われた。
暗殺仕掛けられてやんちゃで済ますのか。総督様の行動基準が鷹揚過ぎる。
とは言え、一時の感情で電脳戦を仕掛けるのも大人げない(すでにトロイの木馬を送り込んだ件は置いといて)。それに、あそこの情報収集能力は使える。これからも魔法や裏情報を集めてもらい、横からゴチになろう。(ゲスの微笑み)
美月、シロ、ヤミ、クロ(最近会議に参加出来るレベルまで進化した)を交えた電脳会議により。しばらくは気づいていないふりをしつつ敵の出方を伺う。攻撃を受けた場合は交戦を許可する。交戦時に使用する魔術と武器は地球由来のレベルに制限される。ただし、こちらが死の危険を感じたら全力戦闘も許可。と、決めた。




