11.居酒屋にて
ありました。
いやー、言ってみるもんですね。脳内の加速空間で書いた論文を出力できないか。と、聞いたら。あっさり「ありますよ」と答えが来て。自動書記ペンが宅急便で送られてきた。そこは転送の魔法とかではないの。と、突っ込んだら。こちらの世界では座標指定が難しい。と、言われた。向こうの世界だと、GPSみたいな座標システムがあるので可能だそうです。
しかし、今どきプリンターを使わない手書きの論文だなんて。教授に突っ込まれそうです。筆跡も違うので。そのまま提出は無理。でも。ないより数倍は便利なので。下書きや粗原稿と割り切ろうと思います。
と、そんなこんなで1週間。シフトに入って、という電話があったので、昼前からバイトに出勤する。エプロンを付け、創作系居酒屋の調理場に立つ。もともと料理が好きなのと、いろんな料理を学べるので気に入っています。
居酒屋だけどランチもやってるので。未成年の客や親子連れもちらほら。もっとも、最近の居酒屋は深夜でも子連れで来るお母さんとかいるので。子供がこんな遅い時間に良いのでしょうか。と、心配するのは、大きなお世話?
調理場から客席の一部が見える作り。逆に言えば、客からも調理場がのぞけるので、うかつな事ができない適度な緊張感。ふと見たら、先日泣いていた女子高生が母親と一緒。にしては若いので、お姉さん?同級生には見えない二人連れ。向こうも気づいた。というより、目を見開いて驚いている。
泣き顔を見られた男と再会して。という感じではない驚き方。あ、これは見えてるな、肩に止まってるシロの姿が。当然、普通の人には見えないようにしているので。あの娘は多分、見鬼とかそれに類する能力者。そう考えると、泣いていた場所にも納得。あそこには、多分、他にもいるな。こんど確認に行こう。
仕事中に女の子に話しかけに行く器用さはないので。双方何事もなく。俺の作った料理を食べて二人は帰って行った。でも、多分、再会する気がするので。時々、公園に顔を出そうかと思います。




