マルクス最強引退の流れ
1X67年この世界には魔王がいる。普通魔王がいたら毎日おびえながら暮らしているだろう。だがこの世界におびえる人はいない。
なぜなら....俺、(オルビス・マルクス)がいるからだ‼俺は生まれた時から火、水、風、岩、雷、光、闇の七属性すべての魔法の体制を持っており、8歳のころには、剣士最強と言われている聖騎士を難なく倒し、魔法も独学で最上位魔法を操ることができた。その頃から俺の名を知らない者はほぼいないだろう。
そうして7年の月日が流れた頃、魔王討伐のため俺は魔王の城へ行くことになった。
「それじゃあ、行ってくるぜ!」
「気を付けていってらっしゃい!」
「がんばれーーーー!」
村の全員が必ず帰ってくることを確信しているような言い方だった。俺自身も負けることなんて少しも想像してなかった。
あの出来事があるまでは・・・・
あれから数週間が経った。旅の途中に会えば天災を引き起こすといわれている魔獣や魔人に何匹か会ったが難なく倒すことができ、順調といえる旅をしていた。そして数日後、ついに魔王の城の前までやってきた。だが何かがおかしい…城に入ってみると魔獣や魔人が全員死んでいた…
急いで城を駆け上がり大広間らしきところにつくと自分の見たものに生まれて初めて肝を冷やした…
数百年前に絶命したとされている天使が魔王を殺していた…
「なんでとっくの昔に死んだはずの天使が生きてんだ!」
「貴様は…人間か…今はお前たち人間に用はない人間今すぐ消えろ」
「ふざけんじゃねえぞ俺の獲物を奪っといて何が用はないだ!」
「俺の獲物?たかが人間ごときが魔王を倒せるとおもっているのか」
「何なら今からお前で試してやってもいいんだぜ」
「図に乗るなよ人間ごときが!燃え尽きろ人間がーーーー!」
ドーーン!! 城内が天使の魔法で崩壊していく…
「ふん人間が・・・」
「そんなもんか!」
「何!我の爆炎を受けて無傷だと!」
「今度はこっちの番だぜ!黒雷!!」
「闇と雷の融合だと‼」
バキーーーン!! 城内が完全に崩壊した…
「貴様…本当に人間か…」
「貴様は危険すぎるこの場でお前を我の命と引き換えに殺す!!」
「バシュ!」 天使が自分の体を刺した
その瞬間天使の周りを中心に光に包まれた。
「な!これは、やば!」
バーーーーーーン!!!!!
これにより、世界の10分の2が消し飛んだ・・・
3年後・・・
「おーい!マルクス~ご飯できたよ~」
「分かった!今行く!」
俺は天使が放った大爆発がくる少し前に、自分の周りに魔法障壁を張り、死にはしなかったが、瀕死の重傷に陥り危なかったところを世界にも数人しか使えないといわれる治癒魔法が使えるユミル・マーキュリーという女の子がここいら一体で起きた大爆発の調査の最中に俺が助けられて今はそのユミルの住んでいる村に住まわせてもらっている。そしてあの爆発で重傷になってから、俺は剣を振るほどの力がなくなり、そして魔法が使えなくなっていた・・・ユミルが言うには、魔法を使うには体にある魔力を一つに集結させてそこから魔力を放たなきゃいけないだが俺は体の内部が損傷したせいで魔法を使おうとすると、全身に激痛が走り魔法が使えないらしい・・・
不安も残るが、今は魔王や天使が死に平和な日常がおくれることができ、力を使う必要がなく安心して生活できている。
「ねぇマルクス…」
「ん?」
「マルクスはまだ、魔法を使いたいとおもってるの?」
「まぁな。」
「どうして!マルクスのおかげで魔王も天使もいなくなったんでしょ!」
「なんでまだ戦おうとするの!?」
「あの天使が自爆する前に言ったんだ…【我々の完全復活はもうすぐここまできている!】」
「あのときあいつが言った言葉が事実なら近いうち必ずやつの仲間が現れるはずだ」
「だから俺は、戦わなくちゃならない!」
「・・・」
「・・・」
「分かった…マルクスの気持ち…」
「だから、わたしも、協力する!!」
「!? きょ、協力っって!」
「だいいち、マルクス一人じゃ今は何もできないでしょ!」
「私がいたら魔法を打つときにくる痛みを私の魔法で和らげることができるでしょ!」
正直、ここまで的確に痛いところをつかれると、いいかえすことばもない。
でも、反論しないわけにはいかない。 ユミルを危険にさらさないために・・・
「でも、これからの旅はとても危険かもしれなくて・・・」
「確かに危険かもしれない。」
「一人ならね!」
「それに、危ない目にあっても、マルクスが助けてくれるでしょ!」
完全に押し負けた・・・
「分かったよ。」
「それじゃあ、二人で頑張ろうね!」
「おう!」
ユミルは俺が守る、絶対に・・・