表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む  作者: 真宵 駆
▽本編△ 古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/556

▼99▲ 世紀末における聖夜の過ごし方

「と言う訳で、今晩はクリスマスにちなんで七面鳥の丸焼きです」


 ミニスカサンタからいつものエプロンドレスに着替えたイングリッドが、そう言いながら、オーブンから生々しい鳥の形を保ったままの丸焼きを取り出した。


「だから、まだクリスマスの季節じゃないんだが。それはそうと、こんがり焼けてて美味そうだな」


 正しいクリスマスの時期に関してこだわりを見せていたものの、イングリッドがナイフでてきぱきと解体した丸焼きを口にするや、そんな事はどうでもよくなってしまうエイジン先生。


「一つ確認しておきたいのですが、エイジン先生はお酒を飲まれないのでしたね?」


「ああ、アルコールはまるっきりダメだ」


「では、ノンアルコールのお子様向けシャンパンはいかがですか。気分だけでもと思いまして」


「それならいい。って、おい、こっちに瓶の口を向けて栓を抜くな」


「大丈夫です。中身を振っていないので、そんなに勢いよく飛びませんから」


 次の瞬間、ポンッ、という音と共にプラスチックの栓がエイジンの頬を弾丸の如く掠め、ほぼ同時に、ダンッ、と大きな音を立てて背後の壁に衝突し、床に落ちて転がった。


「おい」

「失礼しました」


 イングリッドは何事もなかったかの様に、二つのグラスにシャンパンを注ぎ、


「気を取り直して、乾杯しましょう。エイジン先生の世界では、こう、グラスを高く掲げて、『聖夜を汚すバカップル共に死を』、と叫んで一気にシャンパンを飲み干し、空になったグラスを床に叩きつけて割るのでしたね?」


「そんな殺伐としたクリスマスは嫌だ」


「食事の後はエアガンを持って、デートスポットにカップル狩りに出掛けるとか」


「普通に犯罪だぞ」


「浮かれるバカップルで満室のラブホテルに火炎瓶を投げ込むとか」


「クリスマスを何だと思ってるんだよ」


「ヒャッハー」


「やかましい」


 間違いを一々訂正する気も起きなくなって来たエイジン先生だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ