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古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む  作者: 真宵 駆
▽おまけ4△

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482/556

▼482▲ 腐ったミカンの虚数解、もしくは真面目男子とヤンキー女子がカップルになる確率

 マスクメロンの絵を描いたホワイトボードをテーブルの脇に置き、


「さて、マスクメロンの次は腐ったミカン、すなわち君達自身について考えてみましょう!」


 生徒を諭す教師の様な口調で、ベティ、タルラ、ジーンのヤンキー三人娘に暴言を吐くエイジン先生。


「んだと、コラ!」

「アタシらは腐ったミカンじゃねえ!」

「腐ってるのはてめえの脳ミソだろ!」


 当然、ヤンキー三人娘もこれには大激怒。


「いいですか、腐ったミカンが一つミカン箱の中にあるだけで、やがて周りの全てのミカンを腐らせてしまうんです。だから君達の親御さんは、実家から君達をこのリング家に追放したんでしょう? 由緒ある名家が腐らないように」


「追放されたんじゃねえ! 花嫁候補に来てやったんだ!」

「政略結婚の駒としてな! ちょっとした悲劇のヒロインだぜ!」

「美し過ぎるってのも罪なんだよ!」


 痛い所を突かれて逆ギレし、その痛みをかき消すかの様に非常に図々しい事を叫ぶヤンキー三人娘。


「その花嫁候補の件ですが、先生も最初は、君達の誰かをブランドン君にくっつけようかな、と軽く考えてました」


「じゃ、それでいいだろ!」

「何か問題あるのか!」

「早くくっつけろや、オラ!」


「でも、先生は直接ブランドン君と会ってみて、その考えを改めました。『こんなに真面目で感じのいい少年を、あんな極悪ヤンキー女と結婚させるのは、人として間違っている』と!」


「誰が極悪ヤンキー女だ!」

「アタシらは名家のお嬢だぞ!」

「十分釣り合い取れてるじゃねえか!」


「ラブコメだと、真面目男子とヤンキー女子のカップリングは珍しくありません。が、現実世界では普通その二人に共通の接点などありません。いっそ別の生き物と考えた方がいい位です。傍から見ても、ブランドン君にはもっと真面目な女の子の方がお似合いですし、君達には成人式で暴れる様なステレオタイプのヤンキーの方がお似合いです」


「結婚したくねえよ、そんな迷惑な奴!」

「アラン君位イケメンなら話は別だがな!」

「結婚出来なくてもいいから、アラン君寄こせ!」


「そのアラン君には既に怖い彼女がいると、先生、何度も言ったはずです。君達にはもう土下座フラグがビンビン立ってます。これ以上アラン君にちょっかいを出すなら、土下座だけでは済まなくなる、とだけ警告しておきましょう」


「へっ、アタシらはそんな脅しにビビるタマじゃねえぜ!」

「アタシらが土下座ぁ? 面白ぇ、やれるもんならやってみな!」

「意地でもこのアタマは下げねえよ!」


 怖い彼女がその場にいないので妙にイキがるヤンキー三人娘。ついさっきまでエイジン先生に頭を布団の上に押さえつけられていた事から何一つ学んでいない模様。


「はい、先生は一応警告しましたからね。後は自己責任でお願いします。これから君達がどんなひどい目にあおうとも、『先生は何も見なかったし、何も知らなかった』でシラを切り通しますから!」


 教師として色々最低なエイジン先生。

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