▼383▲ 妹と親戚の女の子達をまとめて押しつけられて仕方なくお祭りに連れて行く兄
四人の浴衣美人に囲まれ、自身も浴衣姿で一緒に写真に収まるエイジン先生。
「ちょっとしたハーレム気分でしょう、エイジン先生?」
撮影後、浴衣の胸元を少しはだけて前かがみになり、エイジンにその中身をチラ見せしようと迫るイングリッド。
「妹と親戚の女の子達をまとめて押しつけられて、仕方なくお祭りに連れて行く気分の方が近い」
迫るダメイドをくるっと反転させて背を向けさせ、襟を上に引っ張って背中をピンと縦に伸ばしてから、またくるっと反転させて胸元の乱れを手際よく直してやるエイジン先生。
「これでよし。浴衣は着崩れてると見栄えが悪い」
「エイジン、私のも直して!」
それを見ていたグレタが、胸元をはだけてエイジンの元にやって来る。
同じ手順でグレタの浴衣も直してやりながら、
「こういうアホな大人になっちゃダメだぞ、お嬢ちゃん達」
そう言って、ジェーンとテイタムの方を見ると、
「私もお願いするわ」
「私もお願いします、エイジンさん」
二人もわざと胸元をはだけ、いたずらっぽい笑顔でエイジンを見上げている始末。
振り返るとイングリッドがジェーンとテイタムに向かって、「グッジョブです」と言わんばかりに右手でサムズアップをしていた。
「昨日今日で随分仲良くなったもんだな、あんたら」
女共の妙な連携プレーに呆れながら、二人の小学生の浴衣も直してやるエイジン先生。その姿は面倒見のいいお兄ちゃんそのもので、傍で見ているグレタとイングリッドもニヤニヤが止まらない。
意気投合した女四人によるファッションショー兼撮影会は、その後も衣装を変えながらしばらく続き、ようやく全ての撮影を終えてからエイジン先生が、
「モデルがいいから、写真集を出したら結構売れるかもな」
と、リップサービスするのを、
「女子小学生のカラダを使って金儲けですか。最低ですね、エイジン先生」
全力で台無しにするイングリッド。
「俺は悪徳ジュニアアイドル事務所か。ってか、露出多めの衣装を選んでたのは主にあんただろ」
「お気を付けください、ジェーンお嬢様、テイタムお嬢様。この男が何か怪しげな契約書にサインさせようとしても、絶対に応じてはいけませんよ。骨の髄までしゃぶりつくされてしまいますから」
「もう分かってると思うが、このダメイドの言う事を真に受けない様にな。アホが伝染るぞ」
そんな二人のしょうもないやりとりを見て笑うジェーンとテイタム。
「さ、もう夕方だし小屋に戻ろう。またスネークな感じで」
笑っているジェーンとテイタムを犬猫よろしく台車の上に追いやり、段ボール箱をかぶせて小屋まで押して行くエイジン先生。
小屋に戻った四人の女は、リビングにある大きなテレビの画面でファッションショーの画像を一枚一枚チェックしながら、時が経つのも忘れてキャッキャウフフと盛り上がる。
夜の帳が下りる頃、正門の守衛から連絡が入り、
「ピーターのオッサンがナスターシャと一緒に正門前まで来てるそうだ。ちょっと行って来る」
キャッキャウフフのボリュームを下げさせてから、エイジン先生は小屋を後にした。




