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古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む  作者: 真宵 駆
▽おまけ1△ 古武術詐欺師は今日もせっせと悪役令嬢を騙し続ける

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▼228▲ 二時間ドラマのお約束の地

「えー、もっと泊まっていってよー」


 テーブルに両手を突いて身を乗り出し、エイジンにお願いするオードリー。アシカショーで台の上に乗っかるアシカに似ていなくもない。


「ジュディ様の決めた事だから、仕方ないだろ」


「え、そうなの? そんな話は全然聞いてないけど」


「明日の午後までには通達があると思う。そんな訳だから、特別手当はナシだ。残念だったな」


「ちぇー。いいカモが来たと思ったのになー」


 エサをもらえないと分かってやる気をなくし、テーブルから降りるアシカもといオードリー。


「客の前でカモ言うな」


「またここへ来る事になったら、ゆっくりしてってね」


「事情聴取なんか二度と来たくねえよ」


 笑いながらエイジンは、アシカショーが終わった司会のお兄さんよろしく、落胆するオードリーを誘導して部屋から退場させ、ドアを閉めて振り返ると、


「先に言っておくと、今オードリーに言った事は嘘だからな」


 アランにしれっと真相を告げる。


「え、そうだったんですか? こっちまで騙される所でした」


 驚き呆れるアラン。


「でも、遅かれ早かれ本当になるから、あながち嘘じゃない」


「どういう意味です?」


「明日、俺一人でジュディと交渉する。向こうも俺がどんな話を持ちかけるのかは、もう分かっているはずだ」


「私にはさっぱり分かりません」


「分からなくていい。むしろ分かったら、交渉は決裂するから、何も知ろうとするな」


 謎めいた事を言われて狐につままれた様な表情のアランを残し、エイジンも自分の部屋に戻って行った。


 部屋に備え付けのバスルームでシャワーを済ませ、用意されたガウンに着替えると、


「よお、ジュディ様、聞いてるか?」


 ベッドにどっかと腰掛け、どこに仕掛けられているのか分からない盗聴器に向かって独り言を言うエイジン先生。傍から見るとちょっと危ない人かもしれない。


「そんな訳で、明日はあんたとオフレコで一対一の話がしたいんだが、あいにくこの城は全館盗聴なんだよな。だからここ以外の場所、そうだな、例えば」


 エイジンはいたずらっぽそうな笑みを浮かべ、


「他に誰もいない断崖絶壁の上とかどうかな? 真下は海で、荒い波が絶えず打ち寄せてる様な場所がいいんだが」


 二時間ドラマもいよいよ大詰めである。

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