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古武術詐欺師に騙された悪役令嬢は今日も無意味な修行に励む  作者: 真宵 駆
▽おまけ1△ 古武術詐欺師は今日もせっせと悪役令嬢を騙し続ける

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▼216▲ 建前上は自由に帰れる任意同行

「安心してください。こうして二人一緒に事情聴取を行っている事からもお分かりかと思いますが、あなた方の連絡を断つつもりはありません」


 エイジンの仕掛けたトラップをあっさり無効化した上で、淡々と話を続けるジュディ。


「とり越し苦労だったって訳か。でもいいのか? 俺達が口裏を合わせて嘘をつくかもしれないぜ?」


 挑発的なエイジン先生と、隣で「余計な事言わないでください」と言いたげなアラン。


「ここでの会話は逐一録音されています。下手な嘘は後々不利な証拠となる恐れがあるので、あまりお勧めはしません」


「ここでの会話って、この部屋の中限定なのか、それともこの城全体を指すのか」


「後者だと思ってください」


「全館盗聴かよ」


「どのエリアで録音されているかについてはお教え出来ませんが、ほぼ全ての会話が記録されています」


「ここじゃ、あんたの部下はうっかり上司の陰口も言えないな」


「陰口を言ったからといって、部下を咎めたりはしません」


「それは偉い」


「むしろ、部下の腹の底を探るよいチャンスですし」


「怖えよ、あんた」


「その様な些細な事はさておき」


「いや、ある意味衝撃の事実だったんだが」


「お二人にはあくまで任意同行という形でここに来てもらっています。ですので、帰りたければいつでも城から自由に退出して頂いて構いません」


「この山奥の城から徒歩で無事に家まで帰れるとは到底思えないんだが」


「ほぼ確実に遭難するので、あまりお勧めはしませんね。狼や熊もいますし」


「それのどこに自由がある」


「事情聴取が済めば、ちゃんとヘリで安全に送り返すので安心してください」


「オラ、どんどん不安になってきたぞ」


「もし、今日中に事情聴取が終わらなかった場合、しばらくこちらに滞在して頂く事になります」


「事実上の監禁じゃねえか」


「地下牢に閉じ込める様な事はしません。快適な客室を二つ用意してあります」


「あんた、俺達を最初から今日中に帰すつもりなかっただろ」


「念には念を入れたまでです。調査するからには、きっちりと白黒を付ける必要がありますので」


「あるいは、黒だと認めるまで調査が終わらなかったりしてな」


 からかう様に言うエイジンに対し、ジュディは特に怒った様子もなく淡々と、


「これは不当な事を強いる脅迫ではありません。どちらかと言えばお願いです。もし徒歩で帰るのが嫌であれば、ガル家に連絡して自家用ヘリで迎えに来てもらっても構いませんが」


 真面目な口調で言い渡す。


 エイジンはジュディの顔をしばらく探る様に見た後で、


「冗談だ。こっちとしても、きっちり白黒付けてもらった方が都合がいい。あんたの気が済むまで付き合うよ」


 こちらも真面目な口調で答えた。


「それに黒になった所で、割を食うのは俺じゃなくて、実際に魔法を使ったアラン君の方だし」

「エイジン先生!」


 アラン君の運命やいかに。

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